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三十七香 ページ40

或る大きな組織が力を強めだし、周辺の組織を傘下へと入れだしたのだ。

組織の名は「ポートマフィア」。

周辺の組織はその組織が絶大な力を持っているのを感じたのか、断ることはなかった。

だが、少女の両親の組織は傘下に入らなかった。

それは、もし傘下に入った途端今まで少女を普通に過ごさせていたのを崩れることを恐れていたから。

此処まで少女は幸せに、"普通の"女の子として育てて来たから。

だから、此処で彼女の幸せを崩す危険を負うことは出来ない。

父の言葉に異論を持つものは誰もいなかった。

だからこそ、彼らは崩れていったのである。

彼らは本当に守りたかったものを崩してしまったのである。

本当に守りたいものこそ、脆く崩れやすいのである。





或る日の沈む途中の世界が茜色に染まった黄昏時の事だった。

少女は何時も通り部活を終えると、友人と別れて帰路を歩き進めていた。

今日はこんな事を彼らに話そうと思考を張り巡らせていた時だった。


少女の目に映り込んだのは、紅い世界。


空よりも紅い世界。

否、空と一体化していた。

周りには見慣れない紅い車、組織の皆が嫌いな黒と白の車。

紅いサイレンの光が目に入った途端、少女の脳内に凡ての情報が入った。

組織()は紅い炎に包まれており、中からは朝に聞いた大好きな人たちの助けを乞う叫び声。

然し状況はとても良いものとは云えない。

既に炎は大きくなっており、まず元々外部から人が中に入るのも困難な造りになっている建物であるため、消防員らも頭を抱えていた。

お手上げだった。

そして誰一人として助からなかった。

絶望だった。

何も見えなかった。

聞こえなかった。

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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年8月14日 9時

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