真実と虚偽の愛 【募集企画】

始まりの思い ページ2

死ぬのは、怖いよ。でも、家族を見捨てて生きていく自信なんか無い。でも、死ぬのは嫌だ。でも、でもでも死ぬことより怖く、怯えながら生きていくことの方が嫌だ。ぼくはどうすればいい、？

………シスターや神父様にはバレないよう、こっそりアイツだけに打ち明けようか。
ぼくの、この気持ちも、家族の安全も、アイツに賭けようか。

死にたくない、死にたくない死ぬのが嫌だ、怖いよ。でも、家族がみんな死ぬのは、もっと嫌だ。
みんなが抜け出したら、きっといつか僕を助けてくれる。そうだ、奴|隷なんてダメなことに決まってる。みんなが誰かに知らせてくれれば、僕を助けてくれるかもしれない。いや、みんなならきっと助けてくれる。


そして僕は、お気に入りの本を取り出した。これに線を引こう。頭文字を繋げて読むと文になるように。

"教かいわ皆をど礼でウるつ森だ葉や句にげ路"
"────"

できた。これを、ぼくが出ていく前にアイツに渡すんだ。

誰も出ていかないで、夢だったらいいのに。


「素敵なお知らせが来ましたよ！ルチアくんを子どもにしたいという人がこの教会にやってきたんです！」

………。

「なぁ、──。これ、…ぼくがずっと好きだった本なんだ。持っておいてくれない？線も引いておいたんだ。特に、線の最初のところに注目してほしいんだ！！面白いから…。
これを読んで、ぼくのことを思い出してくれたら嬉しい。」

………みんな…逃げて、生きて……ぼくを、助けて…………



"──────"

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