【番外編】リアル恋仲のWエース03【THE RAMPAGE】 (ページ8)

今日:43 hit、昨日:25 hit、合計:120,045 hit

＊▽ ページ8

･

心穏やかじゃないまま見守ってると、
壱馬がチラリと私を見て。

壱馬「ええよ、撮ろっか」

『っ』

二人で写真を撮ってた。

本当になんなのあいつ。

距離は近いし、満更でも無い顔して。

ほんとうに、なんでなの？

なんで私じゃダメなの。

そんな怒りと不安が混ざり合わさった時、
私の肩を叩いたのは、北人だった。

北人「A、一緒に写真撮ろ？」

翔吾「北ちゃんズルい！俺とも撮ろ〜」

慎「俺とも撮りましょAさん」

また北人に気を使わせた。

そう思ったけど、今はあの人たちの会話を聞きたくなくて、
北人の有り難い誘いを受けた。

『いいよ、一緒撮ろ。
ちぇいも来てよ〜』

海青「はいはい」

そんな心穏やかじゃないのを分かってる北人は、
ずっと私の背中を撫で続けてくれた。

きっと今の壱馬に、今の私は見合わない。

そう思った私は、涙を堪えて自分の家に帰った。

本当は今日、壱馬の家で話をする予定だったのに。

帰宅後、シャワーを浴びて電気もつけないで部屋で、
っていうかクローゼットでゆっくりしてる時だった。

彼から電話が来たのは。

『遅いよ、馬鹿』

電話に出るのを躊躇った後、私はスマホを耳に当てた。

『はい』

【壱馬「もしもしお疲れ様、今どこ？」】

『自分の家』

【壱馬「っ……はぁー、良かった、そっちに居ったんや」】

『何？』

【壱馬「今日こっちに来るって言ってたのに来ないから、
なんかあったんかなって思って連絡した」】

『それだけ？』

【壱馬「それだけって……、俺がどんだけ心配したと思って」】

『壱馬こそ、自分がどれだけ人傷つけたか分かってんの？』

【壱馬「え？」】

『今日だって、本当はゆっくり話そうと思った。
でも、今日あの子と写真撮る時に一度私を見たよね？
あの時思った。「もしかしたら撮らないのかも」って。
でも違った、あなたはあの子と近い距離で満更でも無い顔で撮った。
それだけの事でどれだけ私が傷ついたか、壱馬に想像できる？
できないよね？』

【壱馬「それは違うよA、あの場の雰囲気ってのが」】

『そんなの言い訳じゃん！
ハッキリ言ってよ、私は嫌だって、あの子が良いって』

【壱馬「A！」】

『もう私が嫌になったんなら、捨ててよ』

それだけ言って電話を切った私は、
翌日から彼と顔を合わせても何も話さなかった。