*▽ ページ41
・
二人で涙を拭いあって、
この日、Aは仕事に向かった。
俺も、夜から撮影があったから、そこに向かった。
壱馬「ほく、なんかあった?」
北人「え?なんでそう思ったの?」
壱馬「なんか、スッキリしてるから」
北人「色々とね」
適当にはぐらかしたけど、きっと彼はこの時に覚悟を決めたんだ。
そんなことも知らない俺は、疲れた体でベッドに沈んで、
ようやくプライベート用のスマホを見ると、そこには。
北人「え!?!?」
Aからプチ旅行の誘いだった。
俺らはこんな微妙な関係の中、旅行に行くことに。
というか、Aの思い出の地を回るっていう企画に、
俺に声をかけてくれただけってのもあるけど、
ずーっとカメラが回ってるわけじゃない。
だから俺はこの時を楽しもうと心に決めて、そして。
北人「A」
『ん?』
北人「だいすきだよ」
喧騒に紛れるくらいの小さな声で、想いを告げた。
彼女はキョトンとしてたけど、それで良かった。
今の俺には、きっと彼女を幸せにできない。
だから俺は隣で見守っていきたい。
北人「俺らはグループメンバー。
だから、辛いことがあったらなんでも相談してA。
俺だけは、Aの反対をしないから」
『ありがとう北人。
でも残念、私の一番の味方はちぇいかな?』
北人「そりゃそうだ」
最初で最後のプチ旅行。
なんなら撮影がメインだったけど、それでも、
俺はこの時間が幸せだったんだ。
この日を最後にAにアプローチをするのはやめた。
そしたらまぁ噂になったよね。
健太「あれ北人、Aは諦めたの?」
瑠唯「健太く〜ん?それは言っちゃダメよ〜?」
樹「あんだけAさん好きオーラ凄かったのに」
拓磨「見てて微笑ましかったですよね」
陣「まぁこっちはヒヤヒヤだったけどな」
陸「ほくちゃ〜ん?あんまり陣くん心配させちゃダメだよ?」
翔吾「でも海青は安心したんちゃう?」
海青「まぁ、色んな意味で?」
北人「うぇっ、気づかれてた」
慎「そこまであからさまだったんだから、
バレない方がおかしいですね〜?」
って、みんなにニヤニヤされてたこともありましたけど。
『何話してたの?』
北人「んー?思い出話?」
壱馬「なんやそれ」
翔吾「胸がドキドキの話?
ってか帰ってくるの遅いわ」
・

847人がお気に入り

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪乃 | 作成日時:2024年7月17日 15時