人生捨てたものじゃないとはよく聞くけど僕は捨てたいわけじゃなかったんです。【人外パロ】

ばれんたいんそのに。 ページ35

「き、今日が何の日か知ってるか？」

なんだろう、と言葉を待っていれば、ぐるっぺんさんから言われた一言。
…わかってるからこうして作ってたんだけども。
どうしようかなぁ、メイドさんたちにはみんなが来ても俺が追い返してって言ってたって言うように頼んだんだけど、それでも張り付いてたみたいだし。

「…しってます。
ばれんたいんでー、ですよね」

「！なんや、知ってたんけ！！」

えぇもちろん知ってましたとも。
…でも。

『俺のおねがい無視して、ドア前に張り付いてましたもんね』

わざと元々の言葉でそう言えば、この言葉を喋れるえーみーるさんと、聞くことは出来るうつさんの顔が青ざめ、俺に縋り付く。

「A君それだけは！！それだけは勘弁したって！」

『張り付いていたことなら謝ります！甘い匂いして気になって期待しとったんです！！！』

なんだろう、そろそろ可哀想に思えてきたんだけど面白い。
うつさんは顔面蒼白で、“見てて！綺麗な土下座見せたるから！！”と今にも土下座をかましそうで、えーみーるさんは俺のことを締め付けんばかりに抱き締めてる。
…他の人置いていかれててぽかんとしてるけど、大丈夫？

「…でも、みんな、めいどさんのいうこと、きいてなかったですよね。
…わるいこには、あげません。」

最後に悪戯心が芽生えてそう言えば、もう、阿鼻叫喚。
絶望したように崩れる人、さっきのうつさんみたいに縋り付く人、ぶつぶつと何かを繰り返す人。
メイドさんたちとコックの人が止めてくれなかったらどうなってた事か。





〜おまけ〜

「美味い…」
「天才や…」
「店出せる。というか出して。」
「オスマン、今度のお茶会」
「説得してみるわ」
「甘いもん食えへん俺用に作ってくれるとか天使か…」
「チョコ苦手なん知ってたんか…天使や…」

「…Aくん、俺達に非があるとは言えど、なんであんなこと言ったの」

「…だって、ないしょで、つくりたくて」

「天使」
「ここが天国か」
「俺は死んだんか」
「我が生涯に一遍の悔いなし」
「もう俺死んでえぇわ」

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