好きなだけ、それだけ

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「外で待ってるねー！」




１０時になり、お店は閉店。

お片づけと掃除を手伝っていつも家まで送ってくれる圭人。

店員は裏口から出るから、客の私は普通の入り口から出て外で待つ。


私はドアを開け、外に出た。



・



圭人「お待たせ〜〜 帰ろっか 。」


「 うん！」



暫くして圭人がやって来て、私たちは同じ方向に歩き出す。





涼介「圭人、これ彼女に届けなくていいの？」




後ろから山田の声がして、振り返った。

ＣＤを顔の高さまであげて、ヒラヒラ仰いでいる。




圭人「ああっ 、 やば！」




いきなり大きい声を出す圭人に驚いて、一瞬方を上下に動かした。

なにかあったんだろうか。いや、あるよね。この様子だったら。




「 どうしたの？ 」




慌てふためく圭人に問いただす。




圭人「佳菜美から借りてたＣＤ・・今日返す約束なんだよね。」





『参ったなあ』といいながら頭を抱えてる圭人。相当、参ってるな...





涼介「棚に置きっぱなしだったから、別にいいのかと思ったけど。もってきてよかった。」





涼介は私と圭人にゆっくりと近づいて、圭人にＣＤを差し出した。

圭人はそれを受け取ると、顔を歪めてＣＤを見つめる。

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