狂犬乗り込み事件 ページ26
「おい、ルシウス・A！」
そう言ってコネシマが教室に乗り込んできたのは、ショッピと仲直りした翌日の事。
朝一番に教室に乗り込まれ、Aは固まってしまう。
「な、なに？」
「教室では話しにくい。昼になったらここに来いよ！」
コネシマは叩きつけるように机にメモを置く。その衝撃に身体が跳ねた。
こんなの原作のコネシマとは全然違うじゃない！？
こちらを睨むようにしてみる視線に彼女は黙って首を縦に振るしかできなかった。
そして、昼休憩の頃_____
メモに書いてあった場所は、学園の中にある談話室だった。
といっても誰しもが利用できるような場所ではなく、上位貴族と彼らに招待された者しか使えない特別なサロンのようなもの。
なので、興味津々なクラスメイトやアイリはその場にいることはかなわなかった。
上位の貴族同士の交流を目的としたサロンなので、部屋全体は広く、仕切りも少なかった。
コネシマは隅にあるソファーに腰掛けながら、セシリアにある物を見せてくる。
「どうしてお前がこのハンカチを持ってるんや？」
「このハンカチ？」
Aが見下ろした先には、先日怪我をした子猫の足に巻き付けたハンカチがあっ
た。
オスカーはそのハンカチの端を指しながら剣呑な声を響かせる。
「これは以前、俺がAに貸してもらった物なんやけどな」
「え？」
彼が指しているのは刺繍の部分だ。
それは、彼女が幼い頃に先生に教わりながら刺したものだった。
これを私がコネシマに貸した？
必死に記憶をたぐり寄せる。
すると、ある少年の声と共に、幼い頃の記憶が脳裏によみがえってきた。
に登りをしていて木から落ち怪我をした少年に急いで駆け寄った幼きA。
手にはハンカチが握られていた。ハンカチの端には金色の紋様が刺繍されている。
次の瞬間、二人のいるところまで従者が駆けてくる。
そして、信じられない台詞を口にしたのだ。
『コネシマ様。大丈夫であられましょうか！？』
Aは頭を抱えた。
コネシマと会ったことは覚えていた。その後、泡を吹いて倒れたのも、前世の記憶を完全に思い出したのも覚えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 982人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シアン - (∂ω＜)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ（はぁと）応援ありがとうございます！更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (
レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω＜)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ﾊｧﾄ(痛い)これからも頑張ってくださいっす！応援してやす！^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます！ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい！ (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱついに、ついに！syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです！いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シアン | 作成日時：2021年2月4日 23時
