113話 ページ19
真紅が地面に零れ落ちるまでの間はひどく長く感じた
そしてその血飛沫の中から大きな刃物が私に向かって伸びてきた
音もなく迫る刃先を後ろへジャンプして緊急回避。だが切るか切られるかの瀬戸際なので反射的に刃を握り、異能を発動する
シュッと厭な音がした後、パリンと壊れる金属音を立てて当たりに銀色が散らばった
「いっつ…」
先程の厭な音は私の掌から聞こえたらしい。横一文字にぱっくりと傷口ができてじわじわと血が滲んだ
ちょ、これ本当に痛いんだけど
思わず三角巾から腕を外した後左手を包み膝をついた
「害獣の血でも飛沫く様は美しいのう____そうは思わぬかえ 愛しの鏡花や」
独特な言葉遣いでしなやかに現れた女性は番傘を手にしていた
ポートマフィア幹部の一人、尾崎紅葉______
背中にひやりと一筋の汗。彼女一人でも圧倒的なオーラを感じる
____一人？
否、それはない筈だ。たとえ五大幹部の一人でも単身で敵に挑む訳が無い。きっとどこかに仲間が____
「息災じゃったか？
そう云い尾崎さんはヒールのあるブーツで敦さんの傷口を踏みつけた
「ッやめ____！」
思わずその場を制しようと足を奮い立たせると、視界がすぐさま低くなった
ドサッと音を聞いて倒れたのだと察した
おい、何している私！貧血か？貧血なのか？
三角巾から外した右手で地面を押しつけて立とうとすると_________赤。
「………え」
怪我をしていない右手が赤色に染まっていた
尾崎さんは口の端を妖美にあげ言葉を口にした
「そちの
その言葉を理解するのに長い時間は要さなかった
左脇腹に激痛が走ったからだ
ッが、と声にもならぬ声が肺から消えるように出る。痛という文字が脳を埋め尽くす
左手の傷は御構い無しに脇腹を抑える
ああ痛い、いつ刺されたのだろうか、……ああ、手をぱっくり切られた後か。なんちゅー刀の速さじゃこら…
心の中で軽口をたたくほど余裕があるのは自分でも感心だと感じながら空中に浮遊するこの世の物とは似つかぬ異形の夜叉を憎ったらしく睨んだ
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます！ (2023年2月26日 6時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです！そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました！オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか？イメージが突然降ってくるものなのでしょうか？良ければ教えてください！ (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：迷たんてー | 作成日時：2019年2月22日 18時
