112話 ページ18
「だ…大丈夫かな?」
心配そうな顔色をして辺りをきょろきょろする敦さんとは逆に鏡花ちゃんは真剣な顔つきでピックキングをする
「大丈夫 必ず仕留める」
彼女はその言葉だけ残し パタンと小さい音と共に去って行った
「「…ん?」」
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…………案の定怒られた
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うららかな晴天の下、山下公園のベンチにて私達三人は束の間の休憩をしていた
「まァ鏡花ちゃん、そんなに気を落とさないで。ほら飴ちゃん」
そう云い 掌で弄んだ桃色の紙で包まれた飴玉を彼女の方へ優しく投げた
すると敦さんは にしても吃驚したよと笑顔を作る
「鏡花ちゃん実は暗殺者の才能が……」
そう云ったところで私は肘で敦さんの二の腕を軽く突いた
ハッとした顔になりすぐに ご免と謝る
「停電にする処までは良かったのに…」
そこまでは良かったんかい。
ぽつりと云ったその言葉に心の中でツッコミを入れた
彼女の落ち込むポイントがいまいち判らない
「____その電話未だ捨てていなかったんだね」
敦さんが旧式の携帯電話を見ながら口にすると鏡花ちゃんは大切な物を扱う様に ぎゅとそれを握りしめた
「業者に
敦さんはそう云うが 大事なものだからとぽつりと口にした
「その…可能性の話なんだけど 若し君の異能の謎が解けて電話の声にしか従わない夜叉を操れるようになれば…探偵社員としての力の一つに…」
「駄目!」
先程の声とは打って変わって叫ぶ様に制した鏡花ちゃん
虚ろな目で何かを覚悟した顔をする
「駄目 夜叉は…もう二度と…」
「…判った でもどうして」
彼が云いかけたその時
ヴーッ、ヴーッ
ごくありふれた着信音が辺りに鳴り響く
普通の着信音なのに、不協和音でもないのに
私達三人にとっては死刑執行の合図に聞こえたのだ
「____ッ、なんで」
喉からかろうじて出た声は短く、瞳孔が開いているのは自分でも判る
「____夜叉白雪よ 鏡花に近寄り嘘の世界を教えるものに罰を与えよ」
聞こえてきたのは美しい女性の声 声の元は____この電話
_____刹那。
目の前に真紅の花弁が咲き散った
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます! (2023年2月26日 6時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです!そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか?イメージが突然降ってくるものなのでしょうか?良ければ教えてください! (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2019年2月22日 18時