108話 ページ14
「おい 朝刊見たか!」
翌朝、国木田が探偵社に駆け込んだ
他の社員らは既に集まっておりテレビに釘付けだ_________唯 二人を除いて
「
太宰が冷静に応えると、アナウンサーの声がフロントに響いた
『事件現場です!ご覧下さい 七階建ての建物が一夜にして消滅してしまいました!』
それと同時に映し出されたのはただの更地だった
テレビからの情報では建物はマフィアのフロント企業が入っていたとの事
「『メッセージ』とは此れか」
そう国木田は呟き新聞を握り潰した
「やはり寮にも賢治君は居ません」
「Aちゃんも賢治君に着いて行くと云ったきり戻ってないよ。勿論、私と彼女の部屋にもね」
「あの大莫迦娘が…!異変を感じたらすぐ報告をするのが当然だろう!」
谷崎と太宰が二人の不在報告をすると国木田は怒りを露わにした
「谷崎 これ以上単独で動くな 敦と組んで賢治と島崎を捜せ 太宰は俺と会議室に来い 社長会議だ」
「敵と接触しても戦わず逃げろ!」
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「(組合、ねえ)」
青白い光が辺りを照らすサーバー
綺麗に整頓された情報管理室は一人の足音によって静寂は消滅した
青年はポケットに手を突っ込み顔の横にある一房の白い髪を揺らしながら歩いていた
青年の名は島崎春樹
ポートマフィア上級構成員の一人だ
そして嘗て島崎Aと対面した人物
春樹は一つのファイルの前に立ち背表紙を指でなぞった
「(____位置がずれてる)」
急いでファイルを引っ張り出し、ある記事を求めてページをめくる
ちょうど真ん中あたりのページを見ると目的の記事は見つかった
ある爆発事件のスクラップだった
否、正確には“世間的には”事件か事故かも不明だが。
彼は憎悪の目で、何か云いたそうに微かに震える唇を噛む______が、記事についていた一枚の付箋が目に留まった
______『君の本当の姿は何だ』
「……そんなの、俺が聞きたいよ」
青年の脳裏にはこの付箋は誰によるものか容易に想像できた
誰もいない部屋、微かに聞こえる電子音を耳にしながら記事に顔をうずめた
____俺という存在が、存在していれば良かったのに____
青年の悲痛な心の悲鳴は己自身しか聞こえなかった
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます! (2023年2月26日 6時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです!そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか?イメージが突然降ってくるものなのでしょうか?良ければ教えてください! (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2019年2月22日 18時