痛覚 ページ28
「リンゴーン空港よりご案内をいたします。遊覧飛行船の到着をもちまして運用時間が終了いたします…」
『いやー、楽しかったねぇ』
楽しいフライトの時間もあっという間に過ぎ去り。
無事に空港に帰還できた私達は飛行船から降り、フラフラとした足取りのフランちゃんを支えて空港の中を歩いていた。
「フランちゃん、あとは家に帰るだけですよー」
「スパシーバ!スヴェスタ!」
『まずいまずい、大分酔ってる。酔いすぎて言葉が分からないふりをする違法売人みたいになってる』
2階のラウンジでよほど飲んだのかな。
「フランちゃん、甘いカクテルが気に入って…先輩は相変わらず強いですね」
『いやいや、倉橋ちゃんのほうが強いよ。私倉橋ちゃんが酔っ払う姿見たことないんだけど』
倉橋ちゃんが顔色をも変えずに大酒を飲む姿というのは企画部内でも有名だ。山田が倉橋ちゃんのお酒を間違って飲んだ時、その一杯で山田が酩酊状態になった。
一体何を飲んでいたんだこの子は
「ふふ、お酒に強い人って肝臓が強いわけじゃないんですよ?」
『え?そうなの…』
「I型の遺伝子…アルコールを処理できる酵素が体内にあるっていうだけで、実際は怪我をしているのに痛覚がない人と同じようなものです」
流石倉橋ちゃん。全然知らなかったわそんなこと
なんなら肝臓強いよって色んな人に自慢したよ私
「だから私の肝臓はボロボロでしょうね。分かっててやってるので気になりませんけど」
『え!ボロボロはまずいんじゃ…』
私も気をつけなきゃだけど、分かっててやってるなんて倉橋ちゃんらしくない
「いいんですよ、私はそういうものなので。経理部長の件も痛覚なしでやらかすつもりですから覚悟していてくださいね」
『お、おう…』
ちょっと心配になってきたな。大丈夫かな、倉橋ちゃんたまに異常に大胆になる時あるから
「すぐに準備できます。整い次第連絡を入れますので、出張の準備をしておいてください」
『早くない!?すごくない!?』
「休憩室で少し。やはりフランちゃんが次の候補だったんです。先輩を推薦することに関しては早速話がつきそうです。先輩は、ミテネ連邦内西ゴルトー共和国に向かうことになります」
『もうそこまでしてくれるとは…』
なんて優秀な後輩
ミテネ連邦があるのは、ヨルビアン大陸の中。ヨークシンからは飛行船で一日と少しもあれば行くことができるだろう。
____
『ハンター試験が過酷すぎて歩いてでもいける気がしてきた』
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shela(プロフ) - はにゃ?さん» コメントありがとうございます!読みやすさ重視で頑張っていたのでとても嬉しいです〜応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年2月10日 8時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - アクアクさん» コメントありがとうございます〜!読者様の求めている作品に一致しているだなんて、本当に光栄です!!必ず続きを書きますので、これからも社畜少女にお付き合いいただければ嬉しいです!作品を読んでいただき、ありがとうございました! (2023年1月4日 17時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
アクアク(プロフ) - これぞ私が求めていた作品そのもの!!続き待ってます!!!! (2023年1月4日 8時) (レス) @page45 id: 2730d44706 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - レーナさん» 読んでくださって、そしてコメントまでありがとうございます!お褒めのお言葉いただき嬉しいです!嬉しすぎますっ!!ネタやテンポ、力を入れているところなのでそう言ってもらえて本当にもう…!お気遣いありがとうございます、これからも頑張りますっ! (2022年4月2日 8時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shela | 作成日時:2021年12月28日 19時