人魚姫がお嫁さんになったら貢いじゃダメですか？【太宰治】

6：人魚姫は今日も溺れる ページ6

1日何回も愛を伝えているけど、足りないし…伝え足りないと思っている。まだまだ伝えなきゃ…まだ伝わってない…。そう思う程…



そんなとき…愛が重いって思う。嫌でも思うし、思わざるおえない…。伝えきれてない…その時点で愛は愛以上となる。けど愛してるは好きの上の言葉…そしてそれ以上の言葉はない。
そんな言葉あれば良いのにね…。




「私のこの気持ち…言葉では言い表せないと思うのだよ天使な人魚姫…。」

「はぁ…。」

「だって！！愛してる以上の言葉が欲しいのに分からないんだよ！！伝えきれてない私の想いを…伝え足りない君への想いを…どう言葉にしたら良いか分からないんだよ！！」

「うーん…。」

「貢いでも足りないのだよ！！足りなくて…私がどうにかなりそうなのだよ！！」

「海の底に沈む程の重たくて溺れる程愛して…愛おしいって思ってくれてるんですね。流石の人魚姫も溺れてしまいますよ。それ以上なんて私にも分かりません。」




困った様に笑う君…私たちはきっとどんなに想い合っても、足りない…物足りない…満たされないのかもしれないね。




「だって…貴方の愛は大きいんだもの…大きすぎるの…。」

「それは君も同じだよ…大きすぎる…。」





お互いさまなんだろうけど…





君をそんな風にしてしまったのは、私のせいで私の想いのせいなのだと…私は知った。

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