人魚姫に貢いで良いですか？【太宰治】

5：朝から疲れるなんてまずない ページ5

ふかふかのいかにも高そうなベッドと布団に戸惑いながら、誘われる夢の世界へと落ちた。
翌朝…朝食はハニートーストとカリカリに焼いたベーコンとスクランブルエッグにサラダとフルーツとヨーグルトと牛乳だった。


そこまでは良いのだが…



「私は…1人で登校すると言ったはずですが？」



なぜか車で送られている。隣には治さんで運転はサングラスをかけた黒い人。なんなんだ？




「心配じゃないか！！私の可愛い可愛い愛しの天使で人魚姫のAちゃんに何かあったら！！電車でちかんにあったら？攫われたら？拐かされたら？もしもの事があったら私は生きていけない！！」

「それは大丈夫です！！」

「けど絶対とは言えないだろう！！」



この会話を聞かされている運転手さんが可哀想…。私の声のこととか心の中で色々思われてんだろうなぁ…。めちゃくちゃ恥ずかしい…。



「とりあえず…明日からは大丈夫です…。」



学校近くのコンビニで降ろしてもらい…というか無理やり言って、そこからは歩いて行った。その間も色々言われたけど、正直無視。校門まで行ったらそれこそ恥ずかしいしね。




「Aどうしたのー？」




普段あんまり喋らないことを知っている人は、私が喋らなくても何も言わない。



「なんかとりあえず大変そうだったみたいだね…。」




ゆっくり頷くと、頭を撫でられてお疲れ様…と言われた。



「今日は一段と喋らないねー。」




いつもの事としてくれる、ココのクラスの人は優しい。この後…大騒ぎになることも私は知らない。

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