君が何もかも見えなくなるその前に【太宰治】

4：この先に何がある？ ページ4

「おはようございます。」

「おはようA。」

「与謝野さんちょっと良いですか？」

「あぁ、良いよ。」



一緒に医務室へ向かった。



「余命はまだ分かんないんですけど、とりあえずもう長くはないかもしれないです。次の検査の結果次第では、仕事を辞めるどころか入院しなければならないみたいなんですよ。あははっ、ちょっとヤバいみたいです。
調査員として無理みたいなんですよねー。」

「アンタ…そしたらどうするんだい？」



彼女…与謝野さんは、社長以外に私の病気の事情を知ってる数少ない人である。与謝野さんは医者だから、現状などを言っておかなきゃいけないと思って話した。太宰くんのことも全て…。



「そんな悲しそうな顔しないでくださいよー。まだ死ぬわけじゃないんですからー。」



ヘラヘラ笑うと与謝野さんは



「アンタは平気なのかい？」

「そうですねー…、分かんないです。」

「え？」

「だってまだ、死ぬ実感ないんですもん。こうこうこうです。って言われて、はいそうですかって…あぁ、そうなんだなあー、今はそんな状態なんだーって…思うしか出来ませんもん。
だって今すぐ死ぬわけじゃないんですもん。分かんないんですよ。」


にっこり笑って答えると与謝野さんは



「入院は…どうするんだい？」

「太宰くんが出てけとかの別れ話をしたら…仕事を辞めると一緒に入院しようかなあーって思ってます。」

「そうかい…。まぁ、また何かあれば言うんだよ。」

「はい、またよろしくお願いしますね。」




もう一度にっこりとして私は医務室を出た。その反面なぜか、とても申し訳ない気持ちがあった。

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