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30:かけがえのない日々 ページ30

夕方まで遊び尽くして、最後に残ったのはお決まりのようで、あるあるでベタだなって思った。


「やっぱり最後は観覧車?てっぺんでキスするの?」

「そんなベタベタしないよ。」

「じゃあ何ならするの?」

「そうだね…やっぱりキス?」

「ベタベタじゃん。」





なら、どうしようかなあ…




「密着する?乗ってから人から見えなくなるくらいになってからずーっとキスばっかり。密着しながら!!」

「じゃあそうする?」

「何でもいいよ。」




君と一緒なら何でも。



「ドア閉まりまーす。」



スタッフさんの言葉で密室状態になる。私は太宰くんの上に跨りキスをする。上と下から見えてるなんて関係ない。今は今を楽しみたい。太宰くんは私の二の腕を掴み、私は肩を掴む。夏場はYシャツは袖がないが、冬場はYシャツにセーターを着る。
コートはズレて肘まで落ちてきた。


「太宰…くん…。」

「苦しい…?」

「ううん…大丈夫…。」



また唇と唇を重ねる。



「あのね…A…私のキスの初めてはちゃんと君だよ?」

「え?」

「初めては…仕事でなくなったけど…。キスの初めてだけは君なんだよ?」

「太宰くん…バカっ!!そんなこと言うの遅いよ!!」

「はいはい、ごめんね。ほら、早く唇重ねてよ。」

「もぉー!!」




それから観覧車が1周終わる直前に離れて降りる。



「はぁー楽しかったね。また…いつか来れると良いね。」

「うん…。」




今だから思ってしまう…




「太宰くん…私死にたくない…死にたくないよ…。もっともっと…太宰くんといたいよ…。」




病気なんてなかったことにならないの?どうにもならないの?延命治療だけなの?このままなの?




「太宰くん…私…太宰くんと…。」

「A…今を…残りを楽しもうよ…。そんな事言わないでよ…。」





あの頃の私と全く違う…暇つぶし程度の人生がそうじゃなくなったのに…。




「感情…ちゃんとあるじゃん。表情…ちゃんと出るじゃん。」




苦しい声に触れる太宰くんの言葉。人間味出てきたかなあ…。




「今更なんて…遅いよ私…。」

「遅くないよ。」




もっと太宰くんの側で笑っていたかったのに…。

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人生楽しんだもん勝ち - めちゃくちゃ泣きました、こんなに泣いたのは久しぶりでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年8月3日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
シュメール人 - なんか、、やばい、、、、、 (2021年5月18日 1時) (レス) id: b636df43a5 (このIDを非表示/違反報告)
- コメント失礼します。凄く感動しました。素晴らしい作品を有難うございます。 (2020年5月4日 18時) (レス) id: 43b5f5b23e (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 占ツクみて何年も経ちますがこんなに泣いたの初めてです…最高の作品でした!!本当にありがとうございました。 (2020年5月3日 23時) (レス) id: 0ebbee04e8 (このIDを非表示/違反報告)
- 泣きすぎてやばいです!呼んでいた1時間があっという間でした!本当にありがとうございました! (2020年1月4日 2時) (レス) id: 29d08050fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中二半の彼女は霜月さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月6日 2時

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