占いツクール
検索窓
今日:137 hit、昨日:329 hit、合計:108,601 hit

. ページ7

.



『あとね、洗濯もできるようになった』
「へぇ」

『一緒に住んでる人にね、ちょっと偉そうな人がいるんだけど、その人に洗濯機使えないって言ったらあり得ねーってバカにされたから悔しくて覚えたの』
「…」

『まあでもその人料理とか全然できないから、私のことバカにできないと思うんだけど』

「…なんかお前さ、」


ペラペラと1人で喋っていたら、ちょっと難しい顔した蓮がこっちを向いて口を開いた。



「思ったより普通なんだな、」

『え?』


聞き返せば綺麗な二重の瞳の向ける視線が触っていた洋服に戻って、そのままぼそりと言葉を落とす。


「もっと落ち込んでるかと思った。」

『落ち込んでる?』

「結婚式の日、大泣きしてたから」


またちらりとこっちを見た瞳の柔らかさにぐっと胸が掴まれた。

あぁ、ほんとうにこの人は。


『もしかしてそれ確認するために呼び出したの?』

「…まあ、」


どうやら彼は、お兄ちゃんの結婚式のあとわたしが病んでいないか気にしてくれていたらしい。


病んでいないわけではないけど、なんだろう、いままでよりはずっと諦めがついていて。

それはお兄ちゃんが結婚してしまったということを実感したからなのか、それとも他に理由があるのかはわからないけれど。


でも、なんとなく自分の中では整理ができているような気がする。…不思議だ。



『なんだ、手怪我したの怒るために呼んだのかと思った』

「それもあるけど、さすがに手の怪我確認するためだけに呼び出したりはしねーよ、」


康二から聞いたのは心外だけどな、と付け足した彼に笑ってしまう。



「…まあ、元気そうで安心した」


くしゃりと頭を撫でられ、私はそれにふふんと鼻を鳴らす。


『蓮ってほんとにやさしーね』

「お前にだけだよ」

『なにそれ、ホストみたい』


急に変なこと言い出した蓮にけらけら笑ってたら不満げに眉を下げた彼が「行くぞ」と歩き出した。


ウィンドウショッピングをしてる私の横で、「本気なんだけどな」と彼がつぶやいていることなど私は知る由もない。




.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (416 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4013人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こゆき(プロフ) - きりさん» コメントありがとうございます!すごくお返事遅くなってしまってそして更新もサボりがちでごめんなさい、また読んでいただけたら嬉しいです…!これからもよろしくお願いします! (2月5日 15時) (レス) id: 75c0547d0d (このIDを非表示/違反報告)
きり(プロフ) - コメント失礼します!凄く面白くて一気に読んでしまいました!これからも更新頑張って下さい!応援しています! (12月31日 0時) (レス) id: 3f5478e762 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - さくまなさん» ありがとうございます…!そのように言っていただけるととても励みになります…!!更新頑張ります! (12月19日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
さくまな(プロフ) - めっちゃ面白いです!!早く続き読みたいです!! (12月14日 14時) (レス) id: cfe55a277b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こゆき | 作成日時:2020年12月1日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。