9. 少女のトモダチ ページ10
「ダンデさん、どうぞ上がってください。
……狭い家で申し訳ないですが」
時は過ぎ、丸い月が輝いている時間になっていた。
Aは玄関先のダンデに気付くと、室内へ招き入れる。
ダンデが会釈をして入ると、やはりAらしいと言うべきか、ポケモンのグッズや道具、数種類の調理器具がキレイに整頓された部屋が目の前にあった。
(これは充分広いと思うぜ)
少なくともダンデの実家よりも広いように見える。
どうせ言っても謙遜するだろうな、と言葉にはしなかったが。
そのまま室内へと足を踏み入れると、ガラルでは見掛けないポケモン達が興味津々の眼差しでダンデを見詰めていた。
Aはそそくさとダンデにロズレイドティーを出し、自らはエネココアをすする。
ダンデが促されるままに口を付けると、ふわりとした控えめな香りが鼻孔をくすぐった。
美味いな、とダンデが感想を言えば、
「それ、私がブレンドしたんですよ」
誉められたことを、心底嬉しそうにAははにかむ。
どこか周りのポケモンも嬉しそうだ。
ふとAが壁に掛かっているヨルノズクを模した時計を見上げた。
多分、そろそろ来る時間だ。
湯気を立てているエネココアが入ったカップを机に戻し、腰を上げる。冷めてしまうのが大変非常に残念だが、王子様の機嫌を損ねると後々面倒臭い。
Aは月が覗く半円の窓を指差し、口を開けた。
「もうそろそろ来る頃だと思うんです……でもここじゃ狭いので外に出ましょうか。
急な突風に気をつけてくださいねダンデさん……油断してると転けますよ」
チャンピオンが転けるところは見たくないです、とAは冗談混じりに付け加える。
「ははっ、オレだって転けたくないな」
ダンデは笑って応えた。
この年にまでなって年下の前で転けるのは、気恥ずかしさがある。
(……絶対に転けるなよ、オレ)
ダンデは立ち上がり、外に向かうAの小さな背中の後に続いた。
「なぁA、アレ何だろうな…？」
月明かりの中で２人が駄弁っていると、ダンデが曇天に浮かぶ２つの影を見付けた。しかもかなり大きめである。
「あーー、アレですね。……アレです。
やっと来ました、私のトモダチ」
Aはそう言って大きく手を振る。
上空で一瞬止まった影は、A達をめがけて一直線に降下して来た。
そして、ごうごうと鳴る風の音を纏ってゆっくりと着地する。
「……やぁ、久しぶりだね、A」
漆黒のポケモンから軽やかに降り立った青年は月を背負い、やわらかに微笑んだ。
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の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私ポケモンとポケモンにでてくる人達全員推しなので嬉しいです！Ｎ出てきただけで泣きそうです……出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。更新楽しみにしてます！ (10月20日 17時) (
レス) @page15 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
レイン - そうなんですか、大変ですね。いつでもエエので更新待ってます！落ち着いてからでエエので！ (2020年3月10日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» ポク…あ、ポロックですかね？作者はそれしか思い付かないです。ポロックモンスターとは(笑) (2020年1月2日 1時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 霜月千弦、さん» すみません、ポ『ケ』モンがポ『ク』モンになっていました。ポクモンとは ？笑 (2020年1月1日 21時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» 作者は歴代キャラ好きなのに小説が無い…と思っただけで自己満足用なのですが、面白いと言っていただけて嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2020年1月1日 17時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月千弦。 | 作成日時：2019年11月20日 23時
