不良少女は保護対象 【名探偵コナン】【降谷零】

十六日目 ページ16

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本に囲まれた部屋は正直言って違和感だらけだった。確かに俺も学生時代は勉強するタイプだったし、それなりの冊数本も読んできた。だからといってこの数は多すぎやしないか。
俺が今まで読んだ本全て入れても10分の1以下だ。




「彼女にはまたよろしく言っておてくれ」

「かしこまりました。
それでは、本日はこの辺で失礼致します」

「あぁ……土産と言ってはなんだが彼女にこれを渡しておいてくれ」

「ダリアの花束……ですか。なかなか珍しいですね」




足元においてあった紙袋から、華麗な見た目が特徴のダリアの花束が出てきた。……花言葉はなんだったっけな。





「ふむ、君はなかなかの博識だね。派手な彼女を前にしては少し地味かもしれないが……花束を持つ彼女もまた美しいだろうから」

「では僕の方から彼女に渡しておきますね」

「そうしてくれると助かるよ」





あの女が花の世話などするはずもない。むしろ花束を持つベルモットなど気味が悪くて仕方がない。







「本日はありがとうございました。
お気をつけておかえりください」




玄関まで見送りに来た彼女の、覇気のない顔が何故か頭から離れなかった。

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