青学マネの備忘録 3 【テニスの王子様】 (ページ27)

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桃城side

越前と橘妹の後ろから

俺とA先輩がついていく形で帰っていると

先輩は心配そうな顔で俺に声をかけてきた。

『……3日間、来てなかったけど…大丈夫？』

桃城「あ……その事なんすけど、すいませんでした！！」

『！』

思いっきり頭を下げると先輩はあわあわした様子で俺の頭に触れた。

『私に謝る必要なんてないよ…！顔上げて！』

前を歩いていた2人も足を止めたのが

何となくわかった。

桃城「心配と迷惑……かけたんで」

『……でもほんと謝らないで？

もう、大丈夫なんだよね？』

桃城「うっす！明日から部活行きます」

『うん、それなら良いよ。待ってる』

＿＿＿待ってる

そう言って微笑んだ先輩の表情が

俺の胸に突き刺さった。

名前の付けにくいソレがぎゅっと俺の心臓を掴む。

入部したのが昨年、

伸び悩む俺に優しく声をかけてくれて
一生懸命な先輩に目が離せなくなった。

マムシの野郎にも同じように接していたが
先輩はそういう人なんだとすぐにわかった。

俺だけがいい、なんて
まだ何も返せてない俺が言えるセリフじゃない。

俺達は
ぎこちない足取りで再び歩き出した。

越前達はもう興味を失せたのか、気にしてないだけなのか分からないが橘妹と話している。

横を歩く先輩が少し俯いて

『私も、ごめんね』

桃城「……なんで謝るんすか？」

謝られるようなことはされてない、覚えもない。

『言いたかっただけ。気にしないで！』

桃城「そっ、すか」

先輩の指先に少し触れる。

このまま繋いだらどうなるんだろうか

…流石に告ってもねぇし付き合ってもねぇのに
手を繋ぐのはいけねーな、いけねーよ…。