ヒロインの色恋沙汰とかどうでもよき｡【梟谷】

元凶 ページ3

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水沢琴羽


入学当初は特に意識していなかったがこの女。
何故か男子人気が異様に高い。


性格は悪くないが運動も勉強もそこそこ……のはずだが、とにかくあざとい。彼女は男子に「あれ、もしかして俺のこと好きなんじゃ……？」と勘違いさせるのがめちゃくちゃ上手い。


私……いや女子から言わせればそこまで目を引く顔立ちというわけでもないが､別にブスではない。つまり普通の顔立ちだが、男子は


「水沢さんかわいくない？」


「なんか守ってあげたくなる」

と惚れる奴が続出。


もちろん、水沢琴羽をあまり好いていない男子もいたがざっと学年の半分くらいは彼女に落ちた｡もう一度いう､学年の半分だ｡


女子からはぶりっこと嫌われると思っていたが男子の目もあるからだろうか、不思議と一定数の女子は彼女と仲良くしていた。


そのため､彼女も美紀と同じくスクールカーストの頂点に君臨していた。



ちなみに美紀からは「私、あの男子に媚び売ってる感じ嫌い」とよく思われていない。


同じように水沢さんも「山内さんなんかノリが苦手かも」と美紀を好いてはいないらしく同じ一軍でありながら双方は仲が良いとは言えなかった。


でも､一年の時まではまだましだった。


関係が悪化したのは二年になって､二人が同じ男子を好きになってから。


それからは美紀のグループと水沢さんのグループに対立して軽く派閥争いみたいな感じになっているのだ。


……まじかよ。

私はそんな面倒な争いに巻き込まれたくないのに。


たとえ友達だろうとそんなことどうでもよきって感じなんだけど。



「あ、片桐おはよう」


私にあいさつしたのはくせっ毛の黒髪の長身イケメン｡


女子が２グループに分かれた元凶でもある男｡



赤葦京治。




ちなみに私の隣の席。

ハイスペック赤葦→←こんなはずじゃなかった。

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