準備完了(Aesop side) ページ7
あれから何日経ったのだろうか。
何度か散歩と称して荘園を歩き回ったが成果は得られなかった。
本当に出ることは出来ないらしい。
それと本格的にゲームにも参加させられるようになった。
イライさんは隠れ鬼のようなもの、と言っていたがそんな生ぬるいものではなかった。
これは生死をかけた脱出ゲーム。
鬼が、ハンターが、本当に殺しにかかってくるのだ。
ひとつのミスがメンバーの死に直結し、下手をすれば自分も…。
考えただけでもゾッとした。現に何度かチェアで飛ばされバラバラになったし、僕の能力のせいで失血死待ちなんてこともたくさんあった。
いくら体が元に戻ると言ってもこう何度も傷を負い、死に瀕してしまうのには慣れなかった。
他人と協力するのは、苦手だ。
そんなことを言っている余裕が無いほどに、このゲームは本物だった。
宛てがわれた部屋で物思いに耽る。
彼は今頃、何をしているんだろうか。
話せる人やなんとなく話せる人は増えたが、気が許せる人は今でも彼しか居ないような気がする。
「ちょっと君に話したいことがあって。入ってもいいかな。」
「えぇ、大丈夫ですよ」
ドア越しに掛けられる声に返事をして、パッと起き上がる。訪ねてきたのはあのローブの男、イライ・クラーク。目を見て話さなくていいからか、彼自体あまりおしゃべりでないからなのかいくらか楽に意思の疎通ができる相手だ。
「晩御飯はもう終わったはずですが…何かあったんですか」
立ち話もなんですし、とイライさんを迎え入れる。いつかの時と同じように向かい合う形に座った。
来た理由がわからず混乱する僕にイライさんは「落ち着いて聞いてくれ」とフラグに塗れた前置きをして、重々しく口を開く。
「君の、友達がここに来るかもしれない」
「…？」
今なんて…？
「視えたんだ。
今夜、日付が変わる頃に荘園へやってくる。」
イライさんの天眼には様々なものが映ると言われている。外れることは無いし、何度もその目に救われてきた。が、こればかりは、どうすればいいのか。現実味がなかった。何故彼が？どうやって？こんな辛い思いはさせたくない。はずなのに、
「本当に…？」
気がつけば期待するような声を出していた。
慌てて口をつむぐ。まるで彼に来て欲しかったみたいじゃないか。
思い当たる節があり顔に熱が集まった。
「嘘だと思うなら今晩、外を見ててご覧。
見慣れた灯りが見えるはずだよ。」
僕が我に返ったときにはもうイライさんは自室に帰っていた。
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灰色のもふもふ(プロフ) - 塩化なとりうむさん» コメントと応援ありがとうございます。励みになります！カタツムリみたいな速度になってしまいますがこれからも応援よろしくお願いします！ (2019年7月21日 16時) (
レス) id: 268e903cb0 (このIDを非表示/違反報告)
塩化なとりうむ(プロフ) - 望んでたシチュというか設定というか...ありがとうございます！！更新は無理せずに行ってくださいね。応援してます！ (2019年7月20日 20時) (レス) id: 9c32775155 (このIDを非表示/違反報告)
灰色のもふもふ(プロフ) - 7-10さん» わぁあー！コメントと感想ありがとうございます！もっと可愛らしい言い回しをして見たかったんですが語彙が無くて…。そう言って貰えると嬉しいです。更新楽しみにしててくださいね！(*´∀｀) (2019年5月7日 16時) (レス) id: 268e903cb0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - そら豆で飲んでた珈琲君が8割型ぶっ飛びました。控えめに言って好きです。更新全裸待機です_(°ω°｣ ∠)_ (2019年5月5日 3時) (レス) id: 9a172e50f5 (このIDを非表示/違反報告)
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