ごめんよ。私の反省 ページ19
オールマイトside
傷を完治したにも関わらず、守美ちゃんは緑谷少年に帰れと言った。
少年は驚き、悲しげに顔を歪めた。
…だが、緑谷少年の顔よりも、私には………彼女の作り笑いの方が、何倍も悲しげに見えた。
守「相澤先生に言われた事、私に言われた事、家に帰って、しっかり思い返して反省してくださいね。出久君」
出「……ッ…………うん…ごめんね……」
オ「………」
少年は一度深く頭を下げて、踵を返した。
玄関へ戻る彼の背中を、風になびく髪を押さえながら見送る守美ちゃん。
見覚えのある、その海面のような眼に、私はきゅぅっと胸が締め付けられた。
……教育とは本当に難しい。
緑谷少年を…………生徒を傷付けないためにも……私も、守美ちゃんの言葉を思い返して、反省しなければ。
バッグや制服を抱えて戻ってきた緑谷少年に、守美ちゃんは軽く手を振った。
緑谷少年は再び深く頭を下げて、そのまま真っ直ぐ校門へ歩いていった。
オ「…………ごめんよ。守美ちゃん…」
守美ちゃんがこちらを振り向いた。
さっきまで目にしまい込んでいた涙が、赤らんだ頬に筋を作っている。
彼女のその痛ましい顔を見て、私はまた胸に鈍い痛みを覚えた。
守「………ッ、こわ…かったです………」
オ「……本当にすまない…」
守「ﾋｯｸ………八木さん……ぅ”」
オ「！！守美ちゃんッ！」
口許を押さえてしゃがみこんだ。
慌てて傍に寄れば、大丈夫です、と全く大丈夫に思えない声で言われた。
守「拒絶したので大丈夫……すみません…」
オ「無理しないでくれ！私こそ本当にすまない……すま「八木さん」」
守「何回謝るおつもりですか…？一回で良いですよ。次行動で示してくだされば、それで。ね？」
口許を拭って、弱々しく笑う彼女。
またも、私は胸が痛くなった。
この子は時折、母親か何かのように厳しく、優しく諭すような口調になる。
…………情けない。
生い立ちはどうあれ、無個性ばかりの、超常とは無縁の世界から連れてきた子。
画面内ならまだしも、目の前で激しい戦闘を繰り広げられて………友達が傷付いて。
それが彼女にとって、負担でないはずがない。衝撃でないはずがないのに。
…守る側の私が諭されてどうする……！
情けない…！！
オ「………私、頑張るね。守美ちゃん」
応えるように、彼女は弱々しく微笑んだ。
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咲き(プロフ) - ののいろ系女子さん» か、神作…！！？初めて言われました！すごく嬉しいです頑張ります！！ (2019年1月7日 15時) (
レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - ヤバい、凄い面白い！神作！ありがとうございます！大好きです！これからも応援してます！ (2019年1月7日 13時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲 | 作成日時：2018年10月15日 21時
