Scene34 ドア越しの声 ページ34
「もう冷房は必要ないみたいだな。十分涼しい」
「ええ。少し前まで蒸し暑かったのが噓みたいです」
3週間目。Aはまだ意識が戻らない。死んでいるのか眠っているのかわからないくらいだ。
シュウとフブキはいつも通りAの病室に入ろうと、フブキがそのドアにノックしようとしたその時、
『______あと1週間というところでしょう』
聞きなれたといったほどではないが、今まで数回耳にしてきた初老の医師の声だった。
シュウは思わずフブキの身体を引き寄せた。
「え⁉」
「ダメだ、聞いちゃダメだったんだ。帰ろう」
と口では言いつつもまだ2人は小中学生。2人はソロソロと壁に背中を合わせるようにしてはりついた。
『そうですか____ありがとうございます、先生』
Aの母親のすすり泣く声が聞こえて、2人はものすごい罪悪感を感じずにはいられなかったが、同時にその場から動けずにもいた。
「…んな……そんな……」
フブキは思わず声を漏らした。絵に描いたようなフラッシュバック。
「あら、君たち何してるの?」
今まで何度も顔を合わせてきた若いナースがカートを押しながら問うてきた。いつもの2人の少年が壁にずっともたれて黙っているので、当然とも言えるのだけれど。
「いえ…特にこれといった理由もないんですけど……」
シュウは苦笑いを浮かべて、フブキの服の端っこを引っ張った。これ以上ここにいるのはさすがに気が引けたのだ。
帰り道、シュウもフブキも分かれ道が来るまで一言も口をきかなかった。
ほらほら、あの人から言いたいことがあるみたいですよ☆
シスコ「お前はオレだけ見とけばいいんだよ」
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通行人 - ふと思い出して、久しぶりに来てみました。やはり引き込まれる。 (2019年9月5日 19時) (レス) id: 7f966a9c98 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!少ない脳を振り絞って書いただけありました(笑) トプ画のことまでお気づきとは…さすがです! (2019年2月15日 23時) (レス) id: a6baa0d096 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あと、トプ画ですが、人物を抜いてオーダーされていましたね!そこがとても内容と合っていてさすがだな〜とセンスに感動しています 次作品も楽しみに待っていますね〜^^ (2019年2月15日 22時) (レス) id: 02de3cf915 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!!!フブキもシュウも彼等らしい爽やかな感じで、読んでいて温かくなりました^^とても読みやすい文章に文間、ストーリー構成、とても勉強になります!私も瀬央さんを見習って、風景と心理描写をシンクロさせたラストへ進みたいです (2019年2月15日 22時) (レス) id: 02de3cf915 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - みずきさん» そう言ってもらえるととても嬉しいです。ベイバをこよなく愛してるから、学校の作文より本気になって書いてるかもしれません(笑) (2019年2月12日 23時) (レス) id: d89c1d2e97 (このIDを非表示/違反報告)
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