Scene12 決意 ページ12
「シュウさん、Aさんのこと好きなんですか？」
フブキはシュウの顔を見ずにきいた。
「どうしてそんなことをきいてくるんだ？」
シュウは怪訝そうに言った。
「ボクは、Aさんが好きです。来週、告白しようと思うんです」
さあシュウはどんな反応を示す？
フブキの言葉をきいたシュウは、一瞬動きを止めた。脂汗が吹き出す。
「そ…そうか……」
突然の発表に胸の鼓動を抑えられぬものの、シュウは必死で平生を装った。
「そうなの…か……」
どうする、紅シュウ？
シュウは自問する。
応援してやるべきなのか？きっとそうなのだろうけど。
いや、でもこれは普段とはわけが違う。
ならば止めればいいのか？
俺にそんな権利はない。
このまま放っておいたらダメだ。
でもこれ以上踏み込んで壊したくはない。
ならばこのままフブキに取られていいのか？
そんなの絶対に嫌だ！
じゃあ俺の気持ちは何だ？
俺はAが好きなんだ‼
「待て」
シュウは言った。
「俺も、Aが好きなんだ」
フブキは、予想していた展開だったのか、険しい顔つきの中にもどこか落ち着いた雰囲気を持っていた。
「やっぱり…。でも前は違うって」
「前は違ったのかもしれない。だけど今の俺は、Aがたしかに好きなんだ」
両者の目には強い力がこもっていた。
「……勝負しましょう」
「勝負？」
「男なら男らしく、正々堂々と真剣勝負です。ボクがAさんを振り向かせるか、それともシュウさんか」
フブキの瞳は投資に燃えていた。
「いいだろう」
シュウのそれもまた同様に、同じ色の輝きを持っていた。
「とにかく、ボクはAさんが好きだ、この気持ちは変わりません。だからボクは来週、Aさんに自分の想いを伝えます」
それにシュウは、苦笑いして、
「健闘を祈れ……ばいいのかな？」
と答えた。
フブキはシュウから背を向けて数歩進んで、一度振り向いて言った。
「ライバルができちゃったけど…シュウさんらしいところが見れて良かったです。安心しました」
フブキが浮かべた微笑みは、まだ子どもらしかった。
しかし、日に日に自分に似てくるフブキの表情は、シュウにとって祝福であり、呪いのようでもあった。
「さあ、練習に戻りましょう！」
フブキは少し大げさにしんきゃくを始めた。
Scene13 告白 (��)→←Scene11 なかなおり
ほらほら、あの人から言いたいことがあるみたいですよ☆
シスコ「お前はオレだけ見とけばいいんだよ」
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通行人 - ふと思い出して、久しぶりに来てみました。やはり引き込まれる。 (2019年9月5日 19時) (
レス) id: 7f966a9c98 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます！少ない脳を振り絞って書いただけありました(笑) トプ画のことまでお気づきとは…さすがです！ (2019年2月15日 23時) (レス) id: a6baa0d096 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あと、トプ画ですが、人物を抜いてオーダーされていましたね！そこがとても内容と合っていてさすがだな〜とセンスに感動しています 次作品も楽しみに待っていますね〜^^ (2019年2月15日 22時) (レス) id: 02de3cf915 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！！！フブキもシュウも彼等らしい爽やかな感じで、読んでいて温かくなりました^^とても読みやすい文章に文間、ストーリー構成、とても勉強になります！私も瀬央さんを見習って、風景と心理描写をシンクロさせたラストへ進みたいです (2019年2月15日 22時) (レス) id: 02de3cf915 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - みずきさん» そう言ってもらえるととても嬉しいです。ベイバをこよなく愛してるから、学校の作文より本気になって書いてるかもしれません(笑) (2019年2月12日 23時) (レス) id: d89c1d2e97 (このIDを非表示/違反報告)
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