世界で一番嫌いなあなたが幸せでありますように。２

６７ (Yuri Side) ページ19

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僕の嫌な予感は的中しちゃった。

これは、Aにとって大変な状況で。



文化祭を、

【あのとき】を彷彿とさせるかもしれない。





急いでAが連れられた方へ走った。



間に合うかな。


なんとかAが倒れる前に。







昇降口を出て左に曲がって。

走り出す前に見えたところまで来たけど

姿は見当たらない。







慌てて探していると、「ねえ！」って大きい声。


これだって思って声の方に向かうと、






座り込んで苦しそうにしているAと

それを見下ろすように立ってる４人。




『A！？落ち着いて。

ゆっくり、息を吸って、吐いて。』



背中をさすって、Aの手を握ると

握り返してきた。



「ゆう、り…？はぁ、どして…」



『ねえ、Aさんになにしたの？』




絶対にこの人たちが関わってるって分かってるから

あえて聞いてみたのに。



「し、しらない！Aさんが急に倒れたの！」



「私たちのせいじゃない。

知念くんは私たちが何かしたっていうの？」




この人たち、話にならない。

自分たちは悪くないって言うばっかり。

僕に信じてもらおうとして。




僕に事実が知られたら涼介とか大ちゃんにも

知られちゃうからかな。



『もういい。

Aさん、苦しい？立てる？』



返事は首を横に振るだけ。

立てなさそうだから。



『ごめん。肩に腕回して。行くよ。』



Aをお姫様抱っこして、その場から離れる。



『大丈夫？まだ苦しい？』



「大丈夫。ありがとう。」



『保健室行くから。』



「やだ。行かない。大丈夫、だから。」



僕の問いかけに被せる勢いで返事が返ってきた。



『なんで？一応さ、行ったほうがいいじゃん。』



「絶対に、平気、だから。お願い。マネ室。」



『分かった。』



そんなに強くお願いされたら負ける。


昔からそうだった。

Aのお願いは絶対みたいなところがあった。






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