世界で一番嫌いなあなたが幸せでありますように。２

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例の子たちが昇降口手前にいた。

怖い声のかけ方。

声をかけるっていうより大声で文句を言ってる。



ドラマとかマンガによくあるやつかな。

ヒロインが「ちょっと来て」って召集されるやつ。


って冗談を頭の中で考えるけど。

なんとなく覚悟できていたのに、

だんだんと心臓がばくばく音を立てて

足に力が入らなくなってくる感覚に襲われる。




ついて行くと体育館裏。


ベタだな、

なんてことを考えられるくらいに頭は冷静なのに。

足の無力感は増していく。




「嘘ついたの？昨日一緒に帰ってたじゃん。」



この子達に呼び出されるってことは

やっぱりそのことだよね。



「嘘ついたわけじゃない。

勝利くんと本当に付き合ってないから。」



震える声で反論する。

でも相手は４人。



「じゃあなに。付き合ってない人と手繋ぐんだ。」


「ビッチじゃん。それとも男好き？」


「どうせ自分がかわいいって思ってるんでしょ？」



ビッチ。男好き。



私の反論に被せるように、

もっとキツイことを言われてしまう。





そして、手を引かれたところを見られてたんだ。


実際は手を繋いで歩いてたわけじゃない。


手が触れていた時間だってそんなに長い時間じゃない。



でも、そんなことを言ったところで、

冷たい言葉がやむわけでも解放されるわけでもない。


この部活の子達とは関わりたくない。







「なんか言い訳でもないの？黙ったまんまでさー」


「ねえ？！」



左肩に押されるような感触、

数秒後には崩れ落ちて、腰に激しい痛み。






ダメだ。心臓がばくばくして、

息が苦しくて。



あ、来る。


「はぁ、はぁはぁ。」





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