21 ページ22
.
「……」
すっかり日も暮れ、空には月が昇る
月明かりに照らされた夜道はひんやりとしていた
「小太郎…ね、」
寂しい街灯に照らされた道を歩きながら昼間の出来事を思い出す
昼間にみた、エリザベス
あの表情…雰囲気を見る限り、小太郎が辻斬りにあったと思っている
「…ふーん」
いつものこの街なら、まだ人は沢山歩いているはずなのに、道はがらんとしていた
と、そこに
「あれは…エリザベス?」
少し遠くに、家の陰に身を潜めるエリザベス
あれ、誰か、いる?
エリザベスの向かいに、男が立っている
「っ!?エリ…」
男は一瞬で刀を抜き、エリザベスに斬りかかった。のだが
「おいおい、妖刀探してここまで来てみりゃどっかで見た面じゃあねーか」
「銀さん!!」
「!?」
駆けつけようとした足を止める
久しぶりのように感じるあの銀髪が現れ、身体が固まる
そして、銀時と対峙しているあの男
あの男、もしかして…
聞こえてくる微かな会話、そして極めつけは
「せめて奴の形見だけでも返すよ」
そう言って男が懐から取り出したのは
「…っ!!!」
あの黒い長髪、そして、明らかに動揺したエリザベス
「あいつが、辻斬り…!」
私は冷えた夜道を駆けた
.
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時