第6話「キノコっぽい人」 ページ9
あのあと、魔法帝を探しに部屋を出た。魔導書は、カバンなんてないし持ち歩くのもめんどいし、と置いてきた。あんな気味の悪い魔導書、誰も触りもしねぇだろ。…ひとりの変人を除いて。
魔を辿って探しているとき、同じように魔法帝を探しているマルクスさん…に出会った。最初会ったときは怒っていたのに、双方自己紹介を済ませて、マルクス様と呼んでもいいか聞くと、急に泣き出した…。わぁびっくり←
どうして泣くのか、と聞くと
「いえ、何でもないんです。うぅ…」
やっぱり泣くのか。よくわからないけど、いつもどんな扱い受けてんだこの人。あ、ちなみに様付けはいいと言われて、マルクスさん、A、と呼びあうことになった。
その後、目的が同じだったから、一緒に魔法帝探しを再開する。だが、建物内のどこをみても、魔法帝はいない。最初からうすうす感じていたが、この中には魔法帝の魔がないのだ。
「また変身ぶらり…あの人は…!」
「外行くか…」
そのAの発言に、返ってくる声はなかった。
マルクスのほうをみると、口を開けっ放しにして微かに震えていた。少し顔が青くなった気がする。
「貴様…何故ここに…」
その冷徹な声がしたほうをみやると、美しい男の人が立っていた。その背中では今にも襲いかかりそうな銀の鷹が、間違いなくAを威嚇していた。
あらら、魔ヤバイねこの人も。
てかこの魔法なんだろう…水?にしてはなんか白いし…でも綺麗だなぁ。俺の魔法もこんなんだったらいいのに。
「ノゼル…団長…」
そんなことを軽く考えているAの横で、マルクスは先程と変わらず開いた口が塞がらないようだった。
めっちゃ口の中乾きそう。
魔法騎士団…だっけ。なんかそんなの。それの団長ってこと?あーだから魔こんなヤバイのかつかそろそろ鷹しまってくれてもいいんじゃないか。綺麗だけどさすがに怖いよ。
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作者名:ミヤビ | 作成日時:2018年8月28日 20時