pair days -episode 2-【番外編】 (ページ11)

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『行きたい！拳くんありがとう』

嬉しくなって彼に抱き着くと優しく抱き締め返してくれる。せっかく上野に行くんだし美術館も寄る？なんて聞かれてバッと彼の顔を見上げる。

『いいの？』

「もちろん美術館デートもしようよ」

『嬉しい拳くん愛してる』

彼が誘ってくれた上野デート、午前中に博物館を周って楽しく毒について学べたしランチを食べてからは東京都美術館で開催されている源氏物語に関する展覧会を２つ鑑賞した。充実したデートが出来て幸せな１日となった。

ただ帰宅後に昨日と同じ道を辿ることとなりお風呂でもベッドでも愛された。最後の方には意識を飛ばしてしまったようで気づいたら目の前には彼の胸が、ふと視線を感じて上を見ると愛おしそうな瞳で私を見つめる拳くんと目があった。そんな風に見つめられたら自然と大好きと口にしていた。

「俺も好き、大好きだよ」

『わたし、どれくらい？』

「うーん１時間くらいかな？」

『もしかして、ずっとみてたの？』

「可愛かったから穴が開くほど見たいよね？それよりA今日はいつもより早く飛んじゃったね？蕩けてて可愛かったけど」

そんなこと言われて恥ずかしくなる。だって昨日もいっぱいしたし今日だってデートで結構歩き回ったのだ。更にそのあと彼にあんな風に愛されたらどうしたってそうなっちゃう。どうして拳くんはそんな体力が残っていたのだろうか？明日はテレビのお仕事はないけど夜に読書会ライブに藤宮優として少しだけ出演する。明日にまで響かないと良いのになと痛みが残る腰を思わずさすってしまった。すると彼が大丈夫？と腰に触れてくる。その触り方がはっきり言って労りではない。

『ん、ふぁぁ、拳くんだめっ…も、もうしないからね』

「あれもう１回出来るかなって思ったのに…仕方ないか、また明日イチャイチャしようね？」

『あ、あしたも、しないよっ』

「えっ！？嘘でしょ？」

『あさって…テレビのおしごと、あるもん、ぜったいダメ』

「そう言いつつAは押したらしてくれそう」

『ほ、ほんとうにダメだもん！拳くん、ゆるして、おねがいっ』

「ふはっA焦りすぎ〜冗談だよ」

拳くんが言うと冗談に聞こえないから困るんだけど…彼に押されるとつい許しちゃうから本気で迫られると断れない。どうしたって彼が好きのだ。

『拳くん、ぎゅっと、して？』

はーいなんて可愛く返事をしてギュッと抱き締めてくれる。この愛しい温もりに包まれて彼のお休みの声を合図に２人で眠りについたのだった。
　
　
　