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お父さんが口を開いてくれたことに少しホッとして手土産を座卓の上に差し出した。
「Aさんからお父さんが日本酒がお好きと伺ったので地元香川のお酒を、宜しければお召し上がりください」
「あらご丁寧にありがとうございます」
お母さんが受け取ってくれて、お父さんは相変わらず喋ってはくれない。どうする、もう切り出していいものか。言葉に詰まってるとAが口を開いた。
『お父さん、彼のこときちんと知って欲しいです。彼は大学在学中からQuizKnockに本気で取り組んできたの、本当にクイズが大好きでクイズと向き合っているの』
『ここまでQuizKnockが大きくなったのも彼の力が大きい。私はそんな彼のこと尊敬してます』
彼女が俺を見て微笑んで頷いた。俺が話しやすいようにきっかけを作ってくれたんだろう。彼女の気遣いに感謝して俺は意を決して話しだした。
「僕は東京工業大学を休学中にQuizKnockに所属しました。もちろんそのときには復学のことも念頭に置いていましたが、QuizKnockが大きくなってきてこのままクイズで生計を立てられるんじゃないかと思い迷いましたが大学を中退しました」
「今思えばきちんと卒業しておくべきだったと思っています。学歴を見ればAさんに劣っているのは事実です」
彼女が驚いて俺の名を呼ぶ。私は劣っているなんて思ったこと一度もないよ、と俺の腕を掴む。その手を握ってにっこりと笑ってみせた。
「Aはそうだって分かってるよ。ただ世間一般から見てって話だよ」
そう彼女に語りかけてから正面のお父さんを真っ直ぐに見て口を開いた。
「ですが僕は今まで携わってきた仕事においては胸を張って彼女と肩を並べられると思っております」
「ふくらさんは肩を並べるどころか俺達よりずっと先を行ってると思ってるけどね、でもしっかりとAの手を離さないでいてくれてる。俺はふくらさんのそういうとこ尊敬するし認めてるところだよ」
和室に隣接しているリビングから藤枝が援護射撃かのようにボソッと呟いてソファに身を沈ませた。Aが祥と呟いて一つ息を吐くとお父さんに向き直った。
『お父さん、私は彼が好きだし愛してる、彼以外の人は考えられません。彼とけっ』
A待ってと言葉を止めた。それは俺が言わなくちゃいけない気がする。彼女はハッと俺を見てうんと頷いた。
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佐伯(プロフ) - そのうちさん» そのうちさんいつもありがとうございます！お話全て大好きなんて言って頂けて感激です。次作の新婚楽しんで頂けるように頑張ります！Twitterの方はあとで返事投げに行きますw (2021年12月21日 21時) (
レス) @page48 id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
そのうち(プロフ) - vol.8終了お疲れ様です！そしてお話全てが素敵で大好きです！またTwitterの方でも感想送ってしまいますがすみません。次はvol.9で新婚と聞いて正座待機しておきます！お疲れ様です！ (2021年12月21日 12時) (レス) @page50 id: 7f613ac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年11月26日 21時
