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『あっふく…らさん……』
「A…せめて名前で呼んで欲しい」
『……け、拳さ、ん』
違う、けーんでしょ？って訂正される。そんないきなり呼び捨ては無理だよ。
『け、拳くん』
「んーまあ当面はそれでいっか、福良って呼んだらペナルティかな？」
『そんな福良さん…あっ』
「ほら呼んだらダメでしょ」
そう言いながら耳にチュッと音を立ててキスをするから思わず声が漏れビクッとする。
『ん……ペ、ペナルティってそういう……その先は、私まだ…』
「大丈夫まだ進まない、Aの準備ができるまで待つから…」
『待たせて、ごめんな、さい』
「Aのそういうところも含めて好きだよ……まあ本当のところ藤枝帰ってきても困るからね、心の準備ができたら俺の部屋に来て欲しいな」
『うん……拳くん、私も、好き』
「Aとこうやって過ごせて嬉しい」
拳くんの膝の上に横向きに乗せられ拳くんと向き合うとゆっくりとおでこ、瞼、唇へと啄むようなキスをしてくれる。まだ慣れなくて恥ずかしくて仕方ないけど凄く幸せな一時であるのは間違いなかった。
「Aスキンシップ早く慣れてね」
『が、頑張ります』
気合を入れるかのようにグッと拳を握る。彼はそれを見てクスクス笑う。恥ずかしくなって下を向いてしまう。
「もうどうしてこうAはいちいち可愛いんだろうね？そんな気合い入れることじゃないよ」
『え、可愛くないよ…それにこういうの初めてなんだもん。す、好きな人と一緒に過ごすのがこんなに嬉しいってことも初めて知ったよ』
顔を上げて彼の目を見る。微笑んでくれるその笑顔に改めて大好きな気持ちが溢れてくる。
『もっと拳くんにもそう思って欲しいから恥ずかしいけど拳くんと…こ、こういうことしたいって思ってる…ま、まだ先の覚悟はないんだけど…』
彼が僅かに目を見張った。私を抱き締める腕に力が入った気がする。やばいと囁かれた。
『な、なにがやばいの？』
「少しだけ進めさせて」
強引に唇を塞がれる。彼の舌に唇をこじ開け絡め取られる。初めての感覚に驚いて身体を引いてしまいそうになるけれどそれは許されなかった。心から震える…でも嫌ではなくて、もっとって思ってしまった。唇が離れると唾液が糸を引いていく様に顔が赤らんだ。彼の表情に色気を感じてそれもまた格好良かった。
「ごめんAが可愛くて」
『へ、平気…嫌じゃないから』
「A愛してる」
彼の言葉に人を愛する喜びと愛される喜びを私は初めて知ったのだった。
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佐伯(プロフ) - りぃさん» 洞爺湖にfkrさんと同じ誕生日のお子さん素敵な偶然が重なり嬉しいです。素敵できゅんなんて言って頂けて感激です。北海道行ったことないので迷ったのですが（行ったことある沖縄新幹線で行けず笑）書いて良かったです！これからも頑張ります。ありがとうございました！ (2021年5月11日 15時) (
レス) id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - はじめまして。新婚旅行に洞爺湖に行き、fkrさんと同じ誕生日の息子がいます。いつも素敵できゅんなお話に日常を忘れて癒やされてます(読み専で申し訳ない汗)！洞爺湖新婚旅行編登場にコメントせずにいられませんでした！これからの作品も楽しみにさせて頂きます(^^) (2021年5月11日 10時) (レス) id: 85c5c56de3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - そのうちさん» コメントありがとうございます。素敵と言って頂けて嬉しいです！佐伯はまだまだこの2人に飽きていないので是非お付き合いください。ここで言うなって話ですがそのうちさんの作品も楽しみにしております！ (2021年4月6日 10時) (レス) id: 6d502d1977 (このIDを非表示/違反報告)
そのうち(プロフ) - いつも素敵なお話をありがとうございます！エトセトラの1作目がいっぱいになって「終わるのかな…」と成仏しかけていたので、2作目が見れて嬉しいです！これからも楽しみにしております！ (2021年4月6日 8時) (レス) id: 7d0b253688 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月4日 12時
