pair days -vol.3-

お家デート1 ページ12

　
2019/6下旬
　
　
　
課題とにらめっこしているとスマホが振動した。画面を見ると好きな人の名前。集中力がつきかけていたので躊躇いもなく画面をタップする。


「Aちゃん、いま大丈夫？」

『課題をしてたんですけど今集中力が切れてたので平気です』

「お疲れ様、そっか課題か」

『ん、なにかありました？』

「Aちゃん確か明日講義ないって言ってたよね？」

『えっと…はい明日はないですね』

「実は明日の仕事変更になって時間空いちゃったから有給でも取ろうかと思ったんだけどAちゃん課題終わってないならデートは無理かな」

『えっデートしたいです』

「でもそれ終わらさなきゃでしょ」

『そうですけど福良さん忙しいから一緒に過ごせる時は過ごしたいです』

「それならAちゃんの家へ行ってもいい？隣で仕事しようかな」

『本当ですか！それなら頑張って終わらせます』
　
　
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side 兄
　
　
起きてからAの機嫌がいい気がする。昨日やってた課題でも終わらせたのか？


「随分機嫌いいね、課題終わった？」

『えっ！？まだだけど午前中には終わらせる予定』

「そう頑張ってね。じゃ俺そろそろ出る」

『うん行ってらっしゃい』


課題は終わってないとすると理由はふくらさん関係だろうな。問題なくお付き合いを続けてるならそれはそれで安堵する。最寄り駅に着くと見覚えのあるシルエットを見かけた…こちらに気づいてる様子はない。


「ふくらさん…なんでここに？」


ふくらさんはそのまま改札を出て自宅方面に歩いていった。なるほどAの機嫌が良かったのは一緒に過ごせるからか、そう言えば今日の案件日程変更になったと言ってたな？有給かな？

オフィスに着くとまだ出勤してる人は疎らだった。珍しく社長が朝から会社にいた。


「おはようございます、伊沢さん今日早くないですか？」

「藤枝おはよー、サッカー観てたら帰りそびれて泊まった」

「ちゃんと家に帰って寝た方が良いですよ」

「分かってはいるんだけどね〜あ、福良さん今日有給だって」

「やっぱりそうなんですね」

「あれ知ってた？」

「最寄り駅で見かけました。家でAと過ごしてるかと」

「福良さんラブラブか〜羨ましっ」

「伊沢さんも恋人作ればいいじゃないですか」

「今は会社が大事だからね、まあそっちは縁があれば」


そう言いつつ伊沢さんは気づいたらあっさりと恋人出来そうな気がする。俺の主観だけどね。
　
　
　

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