▽捕まえるの話。 ページ33
じりじりと地味に痛む足に耐えながら、螺旋階段を駆け上がる。
あの機材室から出てくるには、この階段を使わなければ降りられないはずだ。
案の定、上からコツコツコツコツっ…と焦って降りてくる靴の音が聞こえる。
下の方からは、「おいA!!」「あ、居た!」「アイツマジで阿呆だろ!!」と降りてこいコールの声が聞こえる。
だがここで逃げては取り逃がすかもしれない。
「あ…居た!!」
?「っひ…!…なんでバレてるの…?!」
「機材落とす前にたまたま見えたんですぅ。何でこんなことすんですか…。」
?「…っ五月蝿い…うるさいうるさい!!!アンタに関係ないじゃない!!退いてっ!!」
「ちょっ、危なっ…ダメダメ。下には私の愛すべき先輩方がいるんですから。」
?「あいつさえ…あいつさえ居なければ彼は私の方を向いてくれたわ!!」
「え…泥沼修羅場なの…?」
?「あの子が彼の前に現れてから、私に全く見向きもしてくれなくなったのよ…。
あの子さえっ…あの子さえ居なければ…!」
その言葉を聞いて、なんだかAは変な気持ちになった。
彼女の大声は、下にいる声優陣やスタッフ達にも届いている。
こういう時、「だからといってやっていい事と悪い事がある。」なんて声をかけるのが正解なのだろう。
言い分を聞きもせず、彼女の意見を完全否定する。
それが、世にいう正解なのだ。
でもそれは、Aにとったら、正解ではない。
彼女の言い分がわかる気がする。
勿論 殺したりするのはダメなことだ。
「…まぁ、それはあのスタッフさんが悪いんじゃないよ。男が悪い、貴方も彼女も悪くない。」
?「…え………?」
予想外の言葉に、彼女自身も驚いている。
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romishinlike(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» レスありがとうございます。楽しみに待っています (2019年11月22日 16時) (レス) id: a4ecf0990e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - romishinlikeさん» はじめまして!前野さんとドライブですね!承りました〜!!書き次第、upするので良ければ続編も読んでやってください! (2019年11月22日 16時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
romishinlike(プロフ) - 初めまして。楽しく小説を読ませて頂いてます。リクエストがあるんですが、前野さんとドライブデートっていうお題で書いて欲しいです。よろしくお願いします (2019年11月21日 14時) (レス) id: a4ecf0990e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 月闇甘音さん» なんとっ!直して参りますね〜!ご指摘ありがとうございます! (2019年1月17日 18時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 空さん» ありがとうございます!私も、骨折事態経験はないものの、ヒビが入った経験がありまして…。あの時は凄く痛かったです笑 これからもご愛読よろしくお願いします。 (2019年1月17日 18時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
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