【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ２【愛され】

▽福山の話。(乾燥キウイさんﾘｸ) ページ26

ある日の収録。

あと一つ、あと一つで仕事が終わる。
長かった連勤も終わり、ようやく明日はお休みだ。

前のお休みには必然的に鈴木の家に泊まったが、今週はアクティブに活動したい。

仕事の疲れもあるが、それ以上に誰かと出掛けたいのだ。

｢誰か空いてる人いないかなー…｣なんて思いながらLINEで連絡先を探す。


すると、｢あれ、青空じゃん。｣と名前を呼ばれた。
スマホから顔を上げて、名前を呼んだ彼の顔を見る。

周りの先輩は高確率で名前で呼んでくるため、苗字で呼ばれる人は限られてる。

｢福山先輩だ。｣と、Aの事を[青空]と呼ぶ福山潤に 言葉を返した。

・

暗殺教室がド世代でありファンのAとしては、どうも殺せんせーが頭から離れない福山のイメージ。

あまり現場も被らないし、会えば喋るが…位の仲の二人。



｢お久しぶりです福山先輩。｣

｢青空こそ久しぶり。
何、熱心にスマホ見ちゃって。彼氏？｣

｢なわけないでしょう。明日遊ぶ相手探してんですぅ！｣

｢えっ…予想以上寂しい…。｣

｢あれっ…これ私にも地味にダメージくる…？｣

｢嘘だよ。
あー…俺も遊んでやりたいけど、あいにく仕事だからなー。ごめん人気声優で。｣

｢うわ腹立つ。｣

｢俺先輩ね？｣

｢とっても腹が立ちますこと。｣

｢そういうことじゃないよ。｣



あはは…と笑い合う中、未だに心に[青空]という響きが残っている。
普段言われないからか、余計に。


[A]と呼ばれている声優陣には たまに苗字で呼んで欲しくなるが。

[青空]と苗字で呼んでくる声優には、無性に名前で呼ばせたくなる。
所謂、ギャップ萌え(…？)と言うやつだ。


福山と二人で会うというのもあまりない機会だし、｢ねぇ福山先輩。｣とダメモトでお願いしてみた。

｢名前で呼んでくださいよたまには。｣、と。


福山は、最初その言葉に驚いた風に見えたがすぐに笑いながらAの頭をぽんぽん叩いて言った。









｢ははっ。頑張れよ、A。｣


｢…福山ボイスやべぇ……。｣





恋に落ちる音が聞こえかけた。

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