５９ ページ9
.
樹「困ったことなかった？」
『はい。樹さんが自由にしててって言ってくれたので
本当に自由に過ごさせてもらいましたよ』
その言葉の通り、リモコンの位置が変わっていたり
テーブル脇に大学の課題であろう冊子があるのが見えるし
Aちゃんなりに
この部屋でゆっくり過ごしたんだろうなと分かった。
『あ、でも一つ、』
樹「うん」
『１人、女性が来ました。
外のチャイムが鳴って、カメラで確認しただけで
居留守を使わせてもらったので
どなたなのか分からないんですけど、一応ご報告を……』
女性？誰だ？
家族なら連絡が俺に来るはずだし
それ以外にうちを訪ねてくるような人の見当がつかない。
樹「わかった。ありがとう。でも、誰だろ」
『綺麗な方でした。茶髪の。
モデルさんみたいな、身なりに気を遣われているような感じで』
そんなAちゃんの言葉に
とある人物が頭に浮かんだけれど、まさかね。
樹「んー、まぁ、知り合いなら連絡来ると思うし。
大丈夫。気にしなくて」
『分かりました』
少しに気にしている様子のAちゃん。
居留守してと言ったのは俺なんだから、これでいいのに。
樹「ちゃんとお留守番できて偉い」
今度はそう言ってあやすように頭を撫でると。
『子ども扱い……』
前々から歳の差を少し気にしてたらしく
そんな、Aちゃんの小さな悩みをつついてしまった。
樹「ふふっ。そんなに気になる？」
『気にしますよ、そりゃ……。
ただでさえ、樹さんは年齢よりも佇まいが大人っぽいし……』
俺からしたら、年齢は下なのに
考え方や振る舞いが大人っぽいなとAちゃんに対して感じてたから
そんなに気にならないのに。
それとも。
それが、彼女なりの背伸びだったとしたら。
樹「無理して俺に合わせようとするくらいなら、
ありのままのAちゃんで居てくれる方が、俺は嬉しいけどね」
きっと、大人っぽいのは
出会った当初から抱いている印象だから
俺と付き合って無理してるわけでは無いと思うけれど。
それでも、抜ける力は抜いていてほしい。
俺の隣では特に。
『そんな私、子ども過ぎて樹さん嫌になっちゃうかも……』
樹「ならないよ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 901人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M a(プロフ) - 貴世さん» コメントありがとうございます。そして、読んでいただきありがとうございます。続編は只今準備中ですので、整い次第通常公開とさせていただく予定です。それまでもう少しだけお待ち頂けますと幸いです😳 (2023年4月13日 8時) (
レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
貴世(プロフ) - 初めまして、小説楽しんで読んでいます、探してたもの、見つけたかもー3ー藤原樹のパスワードを教えて下さい、続きが読みたいです、お願いします。 (2023年4月13日 0時) (レス) id: fd9a14ea59 (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - 彩夏さん» コメントありがとうございます☺︎︎︎︎ それからまた久しぶりの投稿になってしまいまして……すみません😢 お待たせいたしました😢 更新が嬉しい、そのお言葉でがんばれます😳 引き続きよろしくお願いいたします！ (2023年3月7日 11時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - こんにちは☺️ 久々の更新楽しみにしてました（ ; ; ） 占ツクを開いて、この作品が更新されているとすごく嬉しいです♡ 今回の更新もキュンが止まりませんでした🥰 またお時間がある時に更新してくださるのを楽しみに待っています！ (2023年2月13日 4時) (レス) id: 12838cc98b (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - りーさん» 優しかったです🥲♡ 大阪の方に私は行きました！ (2022年11月3日 22時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M a
| 作成日時：2022年10月1日 14時
