探してたもの、見つけたかもー２ー【藤原樹】

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Aside











樹「……ふふっ、仰向け派？」









樹さんの腕を枕にさせてもらって。

でも、緊張とかドキドキがすごくて

真っ直ぐ天井を見つめるしかできなくて。









『……いえ、寝るぞ、って決めたら横を向く派です』









樹「じゃあ、寝るぞって決めたら、こっち向いて」









そう言うと、樹さんが私の方を向くように体を横向きにして

抱き締めるように腕を回し

足も片方が絡め取られるように私の足に重なった。









こんなの、ドキドキして寝れるワケない。









樹「なんか……やばいね。寝れないかも」









ふふ、と笑う声が耳のすぐ傍で聞こえる。

擽ったいけど、低くて甘い優しい声。









『だめ……寝てください』









樹「じゃあ、Aちゃんも早く寝るぞってなってよ」









その言葉で私は、仰向けで寝ていた体を樹さんの方へと向きを変え

その広い胸元に顔を寄せた。

きっと、こういう意味で言ったと思うから。









樹「ふふ。ドキドキしてんのバレる」









顔をくっつけた所から

とくんとくんと鳴る心臓の音が聞こえてくる。









『ふふっ、しっかり聞こえます』









ドキドキしているのは私だけじゃないって安心感と

樹さんに包まれている安心感が同時にやってきた。









樹「恥ず。でも、Aちゃん抱き締めたら、なんか落ち着く。寝れそう」









それは、樹さんも私の存在が安心感に繋がってるって思っていいかな。









樹「そうだ。明日、行く前

Aちゃんまだ寝てたら一旦起こしてもいい？」









明日私は予定が何もなくて、樹さんのお仕事も朝は早めだけど

夕方までには終わって帰って来られるみたいで

そのままここでマースくんとお留守番することになった。









『はい。でも出来れば、樹さんが起きるときに一緒に起きたいです』









樹「マースが起こしに来るからめっちゃ早いよ？」









『起きなかったら……起こしてください』









朝は強くないから、スパッと起きられる自信はないけど……。









樹「ふふっ、分かった」









きっと、一度は起こそうとしてくれるけど

それで私が起きなかったらそのまま寝かせてくれるんだろうな。

だから、自分で起きないと。









樹「じゃあ、おやすみ」









『おやすみなさい』









前髪に一つ落とされたキス。

そのまま、ゆっくりと眠りについた。











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