第31話『中継』 ページ6
杏奈side
「俺、七鬼に会いたい」
上杉くんがそう言うと、皆が賛成した。
「ここに呼べよ。それか俺たちが訪ねてくか」
彩ちゃんは少し考えてから言った。
「七鬼君は、引っ込み思案なんだ。いきなりは無理だと思う」
若武くんが妖怪パソコンを睨む。
「引っ込み思案のくせに、アーヤを家に入れたり、パソコンを貸したりしたのかよ」
黒木くんが苦笑した。
「ひがむなって」
彩ちゃんは、そんなふたりを無視して言葉を続けた。
「それに、すごく時間を大切にしているから、興味が無いことはスルーすると思う。まずKZ会議を中継して、興味を持ってもらったらどうかな。そしたら会う気になってくれるかもしれない」
みんなが突然、背筋を伸ばす。
「七鬼に見られるのか、緊張するな」
「軽蔑されないようにしないと」
「どんなこと話せばいいんだろ」
「やっぱ何のアプリを開発するかって話じゃね？」
若武くんがキッパリと断言する。
「いいや、俺たちKZの実力を見せて、尊敬させた方がいい。アプリの開発で初歩段階の会議なんかしてたら、レベル低いってバカにされるじゃん。今までで1番、難事件だったヤツを選んで、もっともらしい理由を付けて、今、報告してますって感じで中継すんだ」
彩ちゃんが口を開く。
「いきなり事件の話をしても理解されない気がする。ITの世界に閉じこもってる子だから」
若武くんは胸を張った。
「だったら、ITで勝負しよう。我がKZには、いろんなエキスパートがいる。ITなら上杉先生だ」
そう言いながら上杉くんの方を向く。
「上杉、おまえがIT関係のことを会議で報告するところを、中継しよう」
上杉くんは、うんざりしたような顔になった。
「無茶ブリすんなよ。IT関係の報告って、いったい何だよ。俺、何もしてねーし」
小塚くんが身を乗り出す。
「この間、トロイプログラムを停止させた時の報告でどう？僕たち見てたけど、まだくわしい経過を聞いてないから聞きたいし、ちょうどいいよ」
若武くんが、てんでダメだといったように首を横に振った。
「どうせ撃退ソフトかなんか、入れただけだろ」
上杉くんはムッとしたような顔になる。
「ITオンチのおまえと一緒にすんな。」
「なにぉっ！」
「やるか？」
「おお、受けて立とう！」
いきなり立ち上がった2人を、黒木くんが止める。
「あのトロイプログラムに、上杉、手こずったの？」
上杉君は大きな息をついた。
「モロ手こずりまくり。メチャクチャ悪質だったんだ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
