第57話『泥棒みたい』 ページ32
杏奈side
七鬼くんが頷き、勢いよく自分の椅子に腰かけた。
「じゃ、隣の家の無線LANの乗っ取りから、いこっか」
そう言いながら壁のディスプレイのひとつを指さす。
「あれを使う」
手元のキーボードを手早く動かし、電源を入れて画面を明るくした。
「上杉、ここに来て」
自分の隣を指し、机にふたつのキーボードを並べる。
上杉くんは、いそいそと椅子を持って、そこに移動した。
2人で作業するのがとても楽しみな様子で、見たことないくらいニコニコしている。
若武くんがくやしそうに頬をゆがめた。
「上杉の、あんな顔って、あんま見たことねーよな。なんで俺たちといる時、ああゆう顔しねーんだ？」
私はクスッと笑う。
「若武くん、妬いてるの？」
若武くんはポッと赤くなった。
「んなんじゃねー」
小塚くんが苦笑する。
「若武も上杉も、素直じゃないんだよね」
普段仲が悪く見えても、お互い素直になれないだけだなんて、男の子って不思議だなぁ。
「俺が通信電波をキャッチするからさ、解析ソフトでパスワードが解読できるかどうかやってみて」
七鬼くんに言われて、上杉くんは頷き、それから2人はひたすらキーボードを打った。
「問題は、どんな暗号方式を使ってるかってとこかな。まずシミュレーションやってみよっか」
ディスプレイを見つめては解析ソフトの作業を待ち、また打ち直す。
私たちは息を呑んで見つめていた。
やがて、
「よしっ！」
上杉くんが叫ぶ。
「暗号方式が古ければ楽勝だ。侵入出来るぞ」
私たちは緊張しながら2人がシミュレーションのネットワークに入り込み、そこから情報を盗み出してくるのを待っていた。
まるで泥棒の仲間になったような気分だった。
「実際にやったら電波法違反、不正アクセス禁止法違反だ」
若武くんが言う。
「だが目をつぶる。早く進行しろ」
上杉くんは、ちょっと待てと言ったように片手を上げて若武君を止め、七鬼くんに顔を寄せる。
「そっちに流す。確認、頼む」
2人でしばらくやり取りしてから、ようやく納得がいった様子で、私たちを振り返った。
「今、画面に出す」
ディスプレイに浮かび上がった文字は、どこの国の言葉とも違う奇妙な文字だった。
全然読めない。なにこれ。
「まだバイナリコードだ」
あ、そうか。
「これから日本語に直して、見やすく編集するから」
七鬼くんがそう言って作業を始め、やがて、きちんと読める文字がディスプレイに映し出された。
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？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
