第8話『マスクマン』 ページ9
彩side
学校に着くと、教室には、掃除当番のグループがもう来ていて、黙って仕事をしているところだった。
教卓を拭いたり、植木鉢に水をやったり、ホワイトボードのピンナップを替えたり、ゴミ箱の中身を焼却炉まで捨てに行ったり。
私は自分の机について、カバンからまず数学の教科書を出した。
いつも数学から取り掛かることにしてるんだ。
苦手だから。
後回しにすると、いっそうやりたくなくなるんだもの。
やがて廊下を駆けてくる足音がして、大きな声が聞こえた。
「真理ちゃん、大変。」
顔を上げると、出入口のドアから佐田派の女子が顔を出していた。
佐田派っていうのは、佐田真理子の仲間で、いつも一緒にいる女の子たちのこと。
その子は教室内を見回し、佐田真理子がまだ来ていないことを知ると、すぐ引きあげていった。
きっと本人を探しに行ったんだと思う。
大変って、一体なんのことだろ。
そう思いながら私は数学の宿題が終わり、ホッと息をついた。
いつも一番時間がかかるのが、数学。
国語と英語はかなり早くできるし、理科と社会も、中一の授業で扱うのは主に生物と地理だから、とってもスムーズ。
暗記でいけるものなら、私、結構、得意なんだ。
上杉くんは、数学も暗記の要素が多いって言っていたけれど、私にはまだそこまで見極められない感じ。
とにかく数学だけ終わらせてしまえば、相当、安心。
もう全体の半分以上が終わってしまったような気分だった。
それで次は理社をやっつけようとし、カバンの中にある教科書をつかんだんだ。
その時、
「おはよ。」
誰かが近寄ってくる気配がして、私よ机に左右の手がドンと載った。
「おまえ、結構、来るの早いな。」
「おはよーっ」
私は顔を上げ、そこに、こちらを覗き込んでいる美門翼の、青く見えるほど澄んだ2つの目を見つけた。
翼の隣には杏奈ちゃんもいる。
瞬間、ぎょっとした。
だって・・・目だけしか無かったんだ。
顔が・・・あの美貌が、ないっ！
いや、あるんだけれど、見えないっ！！
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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです！ (5月11日 21時) (
レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです！このまま、ストーリ続けてください。（あれ、完結してたっけ？）少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友（恋人？）ダァーッ！ (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜＠ひなた - 面白すぎです！私はアーヤと若武推しです！ (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！！黒木くんかっこいいですよね！ (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです！ 私も黒木くん推しです！ 更新待ってます！ (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2020年3月13日 20時
