第28話『見惚れるもの』 ページ29
杏奈side
「おい、こっちだ」
若武くんが、ショーウインドーの中央にある自動ドアの前で手招きをする。
そのドアには、大きな字で『ミッキー・ミランの店』と書かれていた。
中からドアが開き、美門くんが顔を見せる。
「やあ、いらっしゃい。どうぞ」
美門くんは、丈の短い真っ白なジャケットを着ていた。
その下は、黒いドットが不規則に入った深緑色のシャツで、細いズボンは黒。
胸には、白い紐のようなタイ。
美門くんによく似合ってる。
やっぱり格好いいよね。
初めて見た時、すごくびっくりしたもん。
「どこでも自由に使っていいって言われてるから、大丈夫だよ。おくにスタッフ用のシャワーブースもあるから、汗も流せる」
店の中はガランとしていた。
大きな空っぽの箱みたい。
中央に、作業台のようなテーブルがあり、その他にポツンと一つ、マネキンが置いてあるだけ。
体だけで、頭や手足が無いトルソだったから、正確には、マネキンじゃなくてボディっていうのかな。
「ああ、それ、俺がここを使わせてほしいって頼む前に、運び込まれてたんだ。撤去しようかって聞かれたんだけど、一つぐらいあってもどうって事ないから、そのままにしてある」
それには、ミント色のお姫様ドレスが着せてあった。
すごく綺麗で、素敵。
繊細なレースが全体を覆っていて、その下の生地はツヤのあるミント色の繻子。
それは裏地のないレースで透明感があって、ウエストはきゅっと絞ってあり、脇腹の位置に大きなリボンが付いていた。
そこからスカートが前と後ろに分かれていて、それぞれが2人のドレープを描いて広がっているんだけれど、この部分も繻子の生地の上からレースが重ねてあり、床に届いている裾はフリルがいっぱい。
そして、全体にダイヤモンドみたいに輝く小さなクリスタルビーズと真珠が埋め込んであってとても華やかなんだ。
こういうのをすごい着たいけど、私みたいなのじゃ似合わないからなぁ・・・。
私も彩ちゃんも、その綺麗なドレスに釘付け。
「おい、アーヤと神崎が見とれてるぞ」
そう言われて振り返ると、5人が並んで、じいっとこちらを見ていた。
「あれのどこがいいのか、分からないな」
「同感。何で、あれなんだ？人体の機能を無視した設計じゃん」
「窮屈そうだよね」
「ちょっとでも動いたら、絶対、どっかに引っかかるぜ。レースって穴ばっかだろ」
「あんなに裾が広がってたら、近くに寄れないし」
この人たちは・・・。
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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです！ (5月11日 21時) (
レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです！このまま、ストーリ続けてください。（あれ、完結してたっけ？）少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友（恋人？）ダァーッ！ (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜＠ひなた - 面白すぎです！私はアーヤと若武推しです！ (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！！黒木くんかっこいいですよね！ (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです！ 私も黒木くん推しです！ 更新待ってます！ (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2020年3月13日 20時
