第13話『思い』 ページ14
杏奈side
2人が戦闘状態に入ったという噂は、あっという間に広まった。
美門くん、結構怒ってたよね・・・。
私はお昼休みに、美門くんと一緒にお弁当を外で食べている時に、機嫌をとることにした。
「美門くん、今日は災難だったね」
私がそう言うと、美門くんは少し笑う。
「神崎ならさ、あの時、どうしてた？」
私は美門くんににっこりと笑いかける。
「謝ってないだろうね。あんなの、謝ってても意味なかっただろうし。」
でも、あれを実際やると思ったら、かなりの勇気がいると思う。
美門くんのそういう所って本当にすごいし、尊敬する。
「それより、今日もこの前も、ごめん。」
美門くんは目を伏せる。
澄んだ2つの目には、悲しい光が揺らめいていた。
「この前からかわれたし、一緒にいるの控えた方がいいのに。今日も朝、神崎を見かけたから声掛けて。一緒に教室まで行ったら、一緒に登校してきたって誤解されたかもしれないのに。俺、神崎に迷惑かけてるな」
美門くんがネガティブになってる・・・。
私は首を横に振り、美門くんの顔を覗き込む。
「私は全っ然大丈夫！美門くんが今朝声掛けてきてくれたのも、嬉しかったよ！」
すると、美門くんは少し驚いたような顔をしてから、頬を赤く染めた。
赤くなった・・・。
いつも冷静な美門くんが照れてるなんて、結構レアかも。
私はクスッと笑うと、美門くんもつられて笑う。
「神崎も、あの時佐田に対抗してただろ。」
「だって、ちょっとムッとしたんだもん。」
「神崎って怒るんだな。」
感心したように言われ、私は美門くんをじと目で見る。
「私だって人の子ですからね。」
「いつもニコニコしてるから、怒ってても、悲しんでても、わかりにくい。感情押し殺しすぎて、ストレス溜めないようにね」
なんか、彩ちゃんにも同じようなこと言われた気がする。
でも・・・
「美門くんにだけは言われたくないなあ・・・」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです！ (5月11日 21時) (
レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです！このまま、ストーリ続けてください。（あれ、完結してたっけ？）少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友（恋人？）ダァーッ！ (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜＠ひなた - 面白すぎです！私はアーヤと若武推しです！ (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！！黒木くんかっこいいですよね！ (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです！ 私も黒木くん推しです！ 更新待ってます！ (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：澪 | 作成日時：2020年3月13日 20時
