005-SG ページ5
＊
彼女に断ってから肩を触る。
すると見覚えのあるウィンドウ。
俺の能力は端的に言うと『情報閲覧』。
触れた相手の性別、名前、年齢、能力、反動、また簡単なステータスといった……まぁ所謂プロフィールのようなものが見られる。
しかしウィンドウこそ出るものの、そこはほとんどが黒塗りになっていて分からない。
唯一見られるのは性別と能力の欄。
これが無効化の力なのか。
「名前と学年、反動は？」
「チェ A、1Bです。
反動は言えません」
すると、彼女の声に呼応するように名前と年齢の欄の黒塗りが消える。しかし反動の欄はそのまま。
「……なるほどねぇ」
恐らくこれは俺が把握している情報。
外見から分かる情報や、周りの情景から容易に想像がつく情報、そして彼女自身から聞いた情報。
それらのみが閲覧できるようになるらしい。
「ユンギヒョン、何か分かりましたか？」
戻った俺に問うナムジュン。
「ああ、何となくだが。
まず、ジョングガの透明化が効かないことから隠蔽は不利なんだろうと推測できる。
それからジミンの弾丸が少し逸れた床には当たり、こいつには効かなかった。
恐らく物理的な攻撃、防御は触れたら無効化。
多分ジニヒョンのもそうだと思います。
俺やテヒョンの閲覧系は多分割と優位。
コイツは全く影響ないし、俺は公開された情報だけなら普通に閲覧できた。
最後にナムジュンの命令は、彼女自身が無効にできないから妨害、という形で現れているんだと思う」
「なるほど……」
周りが納得したように頷く。
「って、お前もかよチェA」
「あまり、自分の能力について知ろうと思ったことはなくて……
あ。ということは、園芸部の活動をここですることを許可していただけますか？」
ケロッとしてんなぁこいつ。
「まぁ……植物植えるくらいなら」
毒気を抜かれたのか、ナムジュンも苦笑いだ。
「あ、そういえば皆さん部活は？」
「入ってるようにみえるのか、これで」
まぁ、ジョングガはまだ警戒しているようだが。
自分の能力が効かないとなれば当然か。
しかし肝が座っているのか、気圧される様子はない。どこ吹く風だ。
「いや、人は見た目によりませんし。
先生も義務だと仰ってましたよ。
……あ、そうだ。
皆さんいつもここにいらっしゃいますよね。
園芸部、入られませんか？
どうしても放課後だけ水をやるのでは心配なので……皆さんにお手伝いをお願いしたいのですが」
……いや本当に肝据わってんな。
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