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夕日が
外灯が程好い灯りを灯し、不気味な程に茶の羽を広げる蛾が、ゆらりと行き宛を失ったかのように舞った。
「…へぇ、あの木は中々に良い太さをしているね。首を吊るには丁度良さそうだ。」
「…お前、」
太宰。そう名乗った彼＿性別は不明＿は、其の茶の目をまるで子供のようにキラキラと光らせて、しっかりとした枝を広がらせた木を見詰める。琥珀色の瞳をした青年＿シャオロンは、呆れたように何かを言いかけたのだが、途中で諦めたように溜め息を吐き、視線を月へと移した。
「今夜の月は綺麗やな。」
「…其れは、真逆脅迫だとは
少し違う文で在れど、太宰の脳には「今宵の月は綺麗でしょうね」の言葉が浮かんだ。本を読む太宰で在れば、何となく＿否。しっかりと其の意味を理解している。
「なんでお前を脅迫せなあかんの…？」
面倒だ…と言わんばかりにじとりと目を細め、呆れた視線を太宰に投げ掛けるシャオロンもまた、その意味を理解し、太宰が何を云いたいかをも察して居た。
二人が出会ってからまだ数十分しか経っていないのだが、シャオロンの方は其れなりに太宰の扱いを理解し初めているのであろう。
「…それより、気になっとったんやけどさ。……お前、何歳なん？」
「…私？私はつい先日に18に成ったばかりだよ。」
シャオロンが話題を変える。質問に潔く答えた太宰に、シャオロンは心の奥で頷いた。時折見せる子供のような表情は、其れこそ年相応であるのだ。
「…？私の顔に何かついているかい？」
はっ、と意識が返ってくる感覚。シャオロンは、不思議そうな表情をする太宰に適当に返してから、ざわざわと何処か可笑しい胸の内に首を傾げた。
＿時折見せる年相応な表情。
…普通の18を迎えたばかりの子供が、時折…？
其処で、シャオロンは太宰を見た。太宰は、鼻唄を交えながら真っ赤に染まる月を眺めて居た。其の横顔は、やけに大人びている。
＿そうだ。此奴…、太宰は、やけに大人びているのだ。先程の入水を止めたときに触れた体は酷く冷たく、確かに腕は震えていたのに其れを辛い、と思うような素振りすら見せない。
何となく、太宰は只の子供では無い気がした。やっと見えてきた城に視線を移しながら、ゆるりとそう考えた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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めい - 好きです！もっと評価されるべき！次の更新待ってます！ (2020年4月5日 21時) (
レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
シラゆ - コメント失礼します(小声)表現の仕方や夢主の設定、とても心に刺さりました。勉強不足を感じさせられるほどの語彙力、尊敬します！文スト？を知らない私でも物語にのめり込めました！更新頑張ってください！コメント失礼しました。 (2020年3月31日 9時) (レス) id: dc5a42bdb9 (このIDを非表示/違反報告)
すりーぷ(プロフ) - 好きです……その場その場の背景？が見えて…なんと言うか……とっても綺麗で文ストの雰囲気等も確りとあって……続き楽しみに待ってます…!応援してます、頑張って下さい！(語彙力が無くて…) (2020年3月30日 19時) (レス) id: 6c2b3e4a08 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 情景描写がとっても綺麗で、1話読んだら「あ、これ好きだな」って思いました！文ストの雰囲気を残しつつ独自の世界観もあって続きが楽しみです！！頑張ってください！応援してます！ (2020年3月28日 9時) (レス) id: c77cf16874 (このIDを非表示/違反報告)
暁月 - あ、好きです。 とっても読み易くて、なんというか…「わあ…！！」となるような感じの……はい。(これが語彙力がない人の見本です) 更新頑張ってください！応援してます。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙藤 | 作成日時：2020年3月27日 2時
