84個 ページ34
翌日の放課後。
部活がないことを良いことにシュラハト最寄りの○○駅へと向かう。
らっだぁ先輩たちにも断りは入れておいたし、大丈夫だろう
バレて逃げられたらどうしようと思いながらも駅前に着くと、遠目にシャオロンの姿が見えた。
黄色のカーディガンを着て、目はスマホに向けられていて、私に気がついていない。
ドキドキとしながらもシャオロンの側に寄り声をかける。
シャオロンは顔をあげるなり「は？」と低い声を漏らした。
聞いたこともないほどの低い声に肩が揺れる。
『しゃ、シャオロン...』
名前を呼んだだけで舌打ちをして逃げるようにその場を離れようとする始末。
『ま、待って』
止めようとしているのに無口で歩き続けるシャオロン。
気がついたら暗い、人目につかないところで、そこについた瞬間壁に両腕を突きつけられた。
『ぃ"っ...！』
顔をしかめてしまうが、目の前を見るとシャオロンの顔が至近距離にあった。
sho「なんやねん、ほんまに」
『っ、話、したくて』
sho「知らへんわ。」
睨み付けてくるシャオロンの目は鋭く、腕の力は段々強くなっていく。
『ちょっと、痛い...！
誤解を解きに来たの、やめて』
sho「は、誤解？」
手は離さないも、少し力を緩めるシャオロン
『大方勘違いしたんやろ？男と歩いとったから』
黙るシャオロン。
『あれは弟なんやけど〜』
sho「...は？」
『母さんの愛人の息子さんで。母さん亡くなったから』
そう言うと驚いたように目を開く。
sho「そんなん、知らんのやけど」
『うん、自分の精神的に話せへんかったから』
シャオロンは意味がわからないと言いたげにぽけーっとしていたが、暫くすると理解したのか顔を赤くさせる。
sho「ちょっとま、せやったら俺...はぁっ！？」
顔の頬に手をあて「あつ！」と目を泳がせるシャオロン。
『...まぁ、せやから、別れんでほしい...です』
改めて言うのは恥ずかしくて目を反らす。
黙らんといてや、恥ずかしいんやけど...
sho「...A」
そう呟くシャオロンに目を向けようとすると手を目元に押し付けられた。
『え』
唇に何かが押し付けられる感覚。
真っ暗な中だからか、何も見えずに困惑を隠せない。
しかし、直ぐに唇は離れ手も退かされる。
sho「ふはっ、顔真っ赤」
いとおしいとでも言いたげな瞳に私が写る。
...はっず
目を反らすと「何照れとんねん。彼女さん」シャオロンはそう言いながら私の手を掬うとその手の甲にキスを落とした。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
