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『じゃ、帰るんで』
tn「帰らせるわけないやろ」
鋭いツッコミに大袈裟にため息をつく。
『なんでですか』
tn「話聞かせてもらうに決まっとるやろ」
『なんでですか。シャオロンやらロボロやら、そこら辺に聞けば答えてくれますよ、多分』
嘘やろ、と若干引かれる。
早く帰りたいのは当たり前だよなぁ？
gr「因みに聞いておくが...ロボロやシャオロンとはどうやって知り合った？」
『私に答える義務が有りますか？』
gr「いや、答える権利があるだけだ。無理には聞かない」
『...色々ですよ』
ふーん、と冷たい目線で見られる。
頭可笑しいやつになるもん。
前世関係で、なんて言い出したら。
「因みに、僕の名前は〜？」
『...鬱ですよね』
ut「そうそう〜
俺がなんて言われてるか、知ってるよね？」
何て言われているか？
...女誑しのこと？
そんな嬉々して聞くような質問やないけど。
ut「...分かっとるみたいやん。
情報はわんさか出てくんで？」
女子は噂が大好きやからね、と続ける鬱。
シャオロンに助けを求めるも絡まれるのが嫌なのか無視してくる。
酷いな、コイツ。
ut「ロボロ、君のこと嫌っとった筈なんやけど...
なんで急に仲良うなったん？」
ぎゅ、と少し手に力が入る。
『...ぺいんと繋がりで。私の友人がロボロの兄だった、それだけですけど。』
ut「そうなん？じゃあー、もう一つ！」
楽しそうな顔を抑えようとしているのか、一周回って狂気染みた顔になる。
ut「僕と君、会ったことあるやんな？」
sho「おい、大先生」
ut「俺はシャオちゃんに聞いとらんねん。黙っといてくれ」
シャオロンの言葉を制止する鬱。
珍しいのか、生徒会メンバーは何も言わない。
『...会ったこと、あるんじゃないですか？貴方が記憶にあるなら。』
鬱は目を見開き、喉で笑い出す。
ut「なんや、そういうことなんかぁ...くふふっ」
様子の可笑しさに気がついたトントン先輩は鬱の肩に手を置く。
しかし、その手は意図も簡単に払われてしまった。
ut「会ったことある、なんて嘘やんな？
会っただけやないよな」
夢を見てん。
鬱はそう言った。
「...夢？」
誰の声か分からないが、静かになった部屋に響く。
ut「そう、夢。寒い中歩いていくんや。整備されていない道に"誰か"を探し歩いとる。
重い。寒い。会いたい。
誰かの声も聞こえる。あれは誰なん？」
知っとるんやろ、と鬱は私とシャオロンをアイ色の目に写した。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
