心に負った深い傷 ページ28
その日の昼前、智にぃが駆け込んで来た。
「雅紀、もう終わる？」
珍しく焦った声でゆかに聞いているのが分かる。
「じゃあまた来週診せてね？まだ無理したらダメだかんね？」
最後の患者さんを見送り、声のする方へ歩いて行くと、
「あ、雅紀！
今から学校に行ける？
和がパニック起こして手がつけられないみたいなんだけど、僕は今から一時保護所に行かなきゃなんだよー」
これまた焦った様子で珍しく早口になってる智にぃ。
「智にぃ大丈夫だよ、俺が行ってくる。今日俺は午後休診だよ、忘れてた？」
いつもの智にぃならそんなこと忘れるはずもないんだけど、余程焦ってたんだろう。俺の言葉を聞いてやっとホッとした表情になった智にぃは、
「あぁ、そうか…
今日、水曜日だ…」
って(笑)
「そう水曜日。翔にぃだって3時までは時間あるし、こっちは何とでもなるから智にぃは仕事に集中して？」
「そっか…
何か自分がよりによって動けない日だって思った瞬間、みんなのスケジュールとかそういうの全部ぶっ飛んだ(苦笑)」
「じゃあ俺、行ってくんね？早く行ってやらないと和が待ってる…」
そう言ってバックルームを出ようとした時、翔にぃが小児科の診察室から出て来て、
「俺も行く。パニック起こしてるんなら2人で行った方が良いだろ？」
言いながらケーシーを脱いで早くもＴシャツになった翔にぃは俺より先にバックルームを飛び出した。
診察しながら俺たちの話を聞いてたってこと？それでこの後のことも考えてたの？(笑)
とても俺は真似できないや…って思いながら翔にぃの後を追った。
飛び乗った車の中、運転する翔にぃに、
「和、何でまたパニックになったんだろ？」
当然とも言える疑問を口にすると、
「昨日のことが絡んでるんじゃないかって思うくらいで、俺も分かんない。
もっと智にぃの話を聞いてから出て来ても良かったけど、智にぃ時間がないはずだから敢えて聞かなかった。
それにどんな理由であれ、目の前の和を見てからしか、どうしてやれば良いかなんて判断できないし。もっと言えばどんなにパニクってようが俺たち2人いれば大丈夫だろ？」
自信満々で言う翔にぃに、笑顔で頷いた。
確かにどんな和でも受け止めることができるっていう自信はある。
駐車場に車を停め校内を歩いていると、給食中のためか昨日より数倍賑やかだった。
賑やかな空間から離れた保健室に、2人して小走りで向かった。
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棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
レス) id: ef140653c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
