後悔(翔) 5 ページ39
翔サイド
自分の部屋に入り、少し時間が経つと更に大きな後悔が俺を襲った。
何故あそこまで激昂したのだろう。まるで他人事のように考えていた。
もちろん危険な行動を止めさせたかった訳だけど、手を上げる必要はまるで無かった。
無意識で、溺れて入院している子と和を重ねて見ていたんだろう。
加えて俺のアドバイスを聞き入れないその子の親と自分を重ねていたのかもしれない。
俺はあの人たちとは違う。
良識ある大人で親だと思いたかったんだ。
だけど和は、悪くするとその子と同じように溺れてしまう様な行動を俺の目の前で取った…
その事が、その親とお前は何ら変わらないと、俺に伝えているような気がしたんだ。
最低だな、俺。あの人たちより悪いじゃん…
止めどなく襲ってくる自己嫌悪の中、ベッドに転がり目を閉じた。
そこに浮かび上がるのは、俺に叩かれ一瞬戸惑った顔をし、泣き叫んでいる和の姿。
何て謝れば良いんだろう…
明日は出張で早朝に家を出なくてはいけない。帰りも遅い。何としても今日中に謝らないといけない。
そう思っても、中々行動に移せないまま日中の疲れもあってか、深い眠りに落ちてしまった。
翌日、まだ暗いうちに起き出した俺は、後悔と自己嫌悪を胸に家を出た。
はぁ…
溜息しか出ない。
結局、忙しい中、スケジュールを調整して出席した講演会は上の空で過ごし、疲労感だけを持ち帰るという、何とも非生産的な１日を送った。
「ただいま…」
もうみんな寝てしまっているだろうと思いながら帰宅した俺の予想に反して、リビングには明かりが付いていた。
「おかえり。遅くまでお疲れ様」
「うん…まだ起きてたんだ」
口を突いて出てくるのは、こんな可愛いげのない言葉。それでも智にぃは、
「昨日は僕が遅くて会えなくって、今日もじゃスレ違いだなって思ったから、さ」
きっと智にぃは昨日の出来事を知っていて、起きて待っていてくれたんだ。
この人はそういう人なんだ。
「そんな所に突っ立ってないで、座れば？
ビール、飲むでしょ？」
ふにゃっと笑って言う智にぃの言葉に素直に従い、いつもの席に座った。
「俺、最低な事した…」
「ふふふっ、やっぱり…」
「ん？やっぱりって？」
「雅紀が言ってたんだ。翔にぃは凄く凹んでるはずって。
その通りだなぁって思って、ね？」
みんなに迷惑掛けて心配掛けて…
不甲斐ない自分への怒りを誤魔化すようにビールを流し込んだ。
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虹(プロフ) - 智宮SKさん» 智宮SKさん、返信ありがとうございます！良かったー(*^O^*)気に入って頂けて。また機会がありましたらリクエストお願いします！これからもどうぞよろしくお願いします(^o^ゞ (2018年12月8日 23時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
智宮SK(プロフ) - ありがとうございます！先程読ませていただきました。こんなに早く作っていただけるとは思っていなかったので驚きです！家族の優しさと暖かさに溢れているとっても可愛い作品で、心が暖かくなりました。これからも応援しています！ぜひまたリクエストさせてください！ (2018年12月8日 22時) (レス) id: 386f8f3e08 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 智宮SKさん» 智宮SKさん、リクエスト終了しました。part7で公開しています。ぜひご覧下さい。ご希望に添えてると良いのですが…(*^O^*) (2018年12月8日 22時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 桜＊潤さん» 桜＊潤さん、コメントありがとうございます！可愛い診察、伝わって嬉しいです♪話を無理やり繋げてしまいましたけど、こちらも伝わって良かったです。これからもよろしくお願いします(^O^) (2018年12月7日 14時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
桜＊潤(プロフ) - 翔パパが体調崩すのは珍しいけど色々あったからだろうけどね。でも可愛い診察されたら回復も早いよね。 (2018年12月6日 19時) (レス) id: ed324fff49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月5日 16時
