大変なの？(和也) ページ5
翔サイド
当直明け、病棟の事務仕事だけで帰れた俺は、保育園のお迎えは俺が行くとメールで雅紀に伝えた。
11時前に着いてしまった俺は２人の様子が聴ければと思い職員室に向かい、
「こんにちは。和也と潤がお世話になってます」
入口で挨拶すると面談をしてくれた園長先生が気付き笑顔を向けてくれた。
「もしお時間が宜しければ少しお話させて頂きたいのですが」
「あ、どうぞどうぞ。今日はお休みですか？」
「いえ、当直明けで今帰りなんです。
早く着いたので、少し様子が聴ければと思いまして」
「そうですか。大変なお仕事ですね？
さ、こちらにどうぞ」
案内されたのは職員室の奥にあるソファ。
「まだ始まったばかりですが、どんな感じですか？」
「お父さん、心配いりませんよ(笑)
潤くんは朝の別れ際は泣いてますけどすぐ泣き止んで遊べてますし、和くんは泣くこともないですよ」
「そうですか。潤は初めての集団生活なので特に心配で」
「心配しなくても大丈夫ですよ。潤くんが朝、泣くのも良いことですしね。
家族の方と上手く行っていなければ泣くこともないですからね。大好きなお家の人に置いて行かれるから泣くんです。
それだけ潤くんにとってお家の人が大好きで一緒にいたいってことですから」
「そう聞いて安心しました。
和、あ、和也はクラスに馴染めそうですか？」
「和くんも大丈夫ですよ。確かに４才児クラスで新入生は１人だけで、少し時間が掛かるかもしれませんが大丈夫です。
今日も独りで廊下にいたので声を掛けたんですけど、人懐っこい子どもですよ、和くんは」
「良かった。環境の変化が苦手なものですから暫くは気を付けてやらないといけないと思っていまして」
「そうですね。園でも気を付けます。
でも大変ですね。和くんみたいな子がお家にいると。
発達障害のお子さんの多くはそんな風に環境の変化に敏感だったり、いつもと違う事に驚く程反応しますからね」
"ｶﾞﾀ、ｶﾞﾀﾝ"
入口で物音がして、園長が立ち上がり音のした方を見ている。
特に何もなかったのか、話を続けた。
「それを家族の方、皆さんがきちんと理解して接してあげて。和くんは幸せですね？」
「そんな事ないです。いつも失敗ばかりです。あとになってこうしてやれば良かったとか、あれは言うべきではなかったとか、そんな事ばかりです」
俺はこの時、和がこの話の一部を聞いてしまったとは夢にも思っていなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虹(プロフ) - 雅宗 潤美さん» はい！よろしくお願いします。楽しく読んで頂けるのが何より嬉しいんです♪ (2018年12月3日 23時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
雅宗 潤美(プロフ) - 虹さん» 虹さん！早くも返信して下さり、ありがとうございます！応援くらいしか出来ませんが、勝手に楽しく読ませて頂いています♪こちらこそ宜しくお願いします( ´∀｀) (2018年12月3日 23時) (レス) id: 55d3a0233c (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 雅宗 潤美さん» 雅宗 潤美さん♪初めまして！ステップファミリーを応援して下さってありがとうございます(*^O^*)和くん潤くんの成長は書いてても凄く楽しいです。また明日も頑張ります。これからもよろしくお願いします(*｀・ω-)ノ (2018年12月3日 23時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
雅宗 潤美(プロフ) - 虹さん初めまして！またステップファミリーを読むことが出来てとても嬉しいです！成長していく子供達が大好きでこれからも応援させてください！ (2018年12月3日 23時) (レス) id: 8e5b3cdf80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虹
| 作成日時：2018年12月3日 13時
