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「…川上さん？」
「…なんでもない」
言えない。こうでもしないと、目の前から消えてしまいそうだったからとか、言えるわけがない
不思議そうな表情で俺の顔を覗き込む葉月さんに「もう帰ろっか」と言うと、表情はそのままでコクッと頷いてくれた
…神なんか、存在しないとは、思っている
だけど、今だけは、神の存在を信じたかった
そして…
―――�猴娵遒気鵑�これから先も幸せでありますように��
絵馬に書いたその願いを、どうか、叶えてほしい
「えっと、じゃあ、私はこっちなので」
神社から出て無言のまま帰路についていると、葉月さんが俺が進む道とは別の道を指差して、そう言う
するりと繋いでいた手が離れて、「今日はありがとうございました」と頭を下げて背を向ける葉月さん
『絶対、あの子を手放すなよ』
一昨日、伊沢さんに言われた言葉がよみがえる
ただ、家に帰るだけだ。なのに頭に、あの時の笑顔が浮かんでは、消える
「葉月さん！」
「はいっ」
周りの視線も気にならず、彼女の苗字を叫ぶ
驚いたように肩を跳ねさせ振り返った葉月さんの前まで歩み寄って、口を開く
今だけは、素直に
「……また、会えますか」
当たり障りのない言葉を、選んだつもりだった
きっと、「会えますよ」とか「突然どうしたんですか？」と微笑んでくれると、思っていた
だけど俺が並べた言葉に、葉月さんはハッとしたように僅かに目を見開くと、気まずそうに視線を下に向けた
なにか、まずいことでも言ってしまったのだろうか
「…多分、会えます」
不安を抱きながら無言の彼女を見つめていると、徐に顔を上げ、無理をしていると直ぐに分かる笑みでそう言う
多分。会えますの前についたその二文字からも、なにか特別な心情が含まれている気がして
「…葉月さ」
彼女の名前を、呼ぼうとした
でもそれは言い切る前に遮られてしまって、伸ばした手は、空気を掴む
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白菜(プロフ) - すずどらさん» こちらこそコメントありがとうございます。とても励みになります。誰かの心に響くような話を書くことができて良かったです。更新頑張ります (2019年12月15日 16時) (
レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - あやかさん» こちらこそコメントありがとうございます。誰かを好きになるって大変なんだな、と書いた本人ながら思ってます。これからも切ない恋の模様を見守って頂けたら幸いです (2019年12月15日 16時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
すずどら - 僕の推しは川上さんなので凄く嬉しかったです。せつない作品で、とても良いな、と心に染みています。また、続きを楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2019年12月15日 10時) (レス) id: 66850163cc (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - せつない作品をありがとうございます。現在さめざめと泣いております…。続きをお待ちしております。どうぞよろしくお願いします。 (2019年12月15日 0時) (レス) id: 7a1dedd698 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - Qさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます！！無料世界一周旅行出来るくらいの作品が書けているかはまだまだ自信ないですが、そう言って貰えると本当に嬉しいです！！Qさんもインフルエンザにはお気をつけて！ (2019年12月9日 14時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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