君のいる朝 06 ページ10
傷一つない指が、Aの唇をなぞる。ぽぅと見上げるA。頬には少しずつ熱がともり、瞳が○んでいく。
｢んっんー！！｣
妙な空気を察したエミヤは咳払いをひとつ。
｢あら、いたのね｣
しれっとしているが、帰還早々、目はあっていた。エミヤを蚊帳の外に置いてまでこの女王はAをからかいたかったらしい。
呪縛の解けたAは脱兎のごとくエミヤの後ろに隠れた。足にしがみついてちらり、とメイヴを覗く。メイヴがひらひらと手をふれば、ぴゃっと顔を引っ込めた。
｢……戦闘、ご苦労｣
Aの肩をとんとんと叩いて、部屋を出るよう促す。エミヤとメイヴの顔を交互に見つめ、大人しく部屋を出た。入れ違いにやってきたのはロマニとダ・ヴィンチだ。
｢おっかえりー！ んじゃあ報告よろしく｣
｢えっ、受けるの僕？！｣
｢美人と縁のない童貞にはちょうど良い機会だ、可愛がってもらえ｣
｢ちょっと、好き勝手言わないでちょうだい。私の好みにモヤシは入ってないわ｣
｢もやっ……？！｣
管制室にひっそりと苦笑ともつかない笑いが巻き起こる。えぐえぐと肩を震わせるロマニへ興味なさげに報告を終えたメイヴのもとへ並び立った。
｢エスコートしてくれるの？ 弓兵さん｣
｢生憎と役不足だ、それに関しては他を当たってくれ。……Aのことだよ｣
メイヴの足は自室へ向かっている。厨房とは真反対だ。それでも依然、隣を保つエミヤに、愉快そうに笑みを深めた。
｢あらあら、過保護ね。あの子をどうしようが私の勝手でしょう｣
｢君が良く思っていないことは知っているが……せめてあの年頃に相応しい交流にしてくれないか。教育に悪い｣
エミヤの1番の心配はそこだった。さっきといい、仕掛ける内容が色めいてきているのだ。
メイヴといえばーーーー何故か呆れたように笑う。
｢いやだわ弓兵さん。普通、あのぐらいの年頃にはとっくに女よ。色恋の楽しさを覚えて、自分の身体を磨くの。大人として認められる為にね｣
絶句。
｢あの子、性を知らないの。つまりは恋を知らない、まるきりの子ども。だけど｣
ーーーーいつまでも蛹でいる蝶はいないし、蕾のままの花もないわよね？
女王の纏う真っ白な外套が揺れる。清純無垢な色の下、蠱惑を秘めて微笑む。
｢あぁそれと勘違いしないで欲しいのだけれど、私、あの子のことは嫌ってないわ。……言ったでしょう？｣
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Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 碧依さん» わわわわ感想ありがとうございます！！2度もいただいてもったいない……！は、発狂！そこまで萌えていただけて嬉しいです！いつも応援ありがとうございます、3部頑張ります！ (2018年1月11日 0時) (
レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - ありささん» はじめまして！感想ありがとうございます！1章から読んでいただけて嬉しいです！3章楽しみにしていただけている気持ちに答えられるよう頑張ります、応援ありがとうございます……！ (2018年1月10日 16時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
碧依(プロフ) - 第2部完結おめでとうございます！最後の方は超絶キュンキュンして悶えながら読んでました← もう心の中で発狂してました← 第3部も続くとのことで、とても嬉しいです！ 心待ちにしています！ これからも頑張って下さい！ (2018年1月10日 14時) (レス) id: e83e0a514a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - はじめまして、一章から楽しく読ませていただいております！三章が凄く楽しみです！これからも頑張ってください！！ (2018年1月10日 13時) (レス) id: 5124bcd214 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - いよりさん» はじめまして！感想ありがとうございます！1章かは2章まで読んでいただけて嬉しいですありがとうございます……！3章もハラハラドキドキ、きゅんきゅん多めな展開を目指して頑張りますので、よろしくお願いします！ (2018年1月9日 21時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sandoriyon0000 | 作成日時：2017年12月13日 23時
